親父Kの観劇風雲録


ごきげんよう。ぜひ親父Kの「観劇風雲録」など、お読みください◆どうしてこんな性格になったのか。幼時、親の転勤に従って、点々とし、デラシネ(根無し草)になったためか◆妻子持ち、小心、短気、運転できない。都の西北のほどほどの学歴を持ち、部下4人の管理職◆いいとこなしの、そういえば数年前には、膀胱ガンになって電気メスでポリープを切除し、もはや生命保険にも入れなくなった男◆左遷経験3度。◆あんたは何を楽しみに生きているのだ。

2001/05/08 火曜日

●「LOVEセンチュリー」@日生劇場

閉鎖間近い遊園地。そこで動物着ぐるみダンスショーを演じるなつみ(安倍)、圭織(飯田)らは、いつも見に来る少女・亜衣(加護)の高額な心臓手術費用をカンパしようと、ダンス留学を夢見る真希(後藤)や看護婦・裕子(中沢)の助けを借りつつファイナルショーへ向けて真剣にレッスンに励む…という筋書き。▼ファイナルショーがそのまま「恋のダンスサイト」などのコンサートになるのが人気者、モー娘のミュージカルらしい展開。前列は総立ちとなって声援と手拍子(一般のミュージカル好きが敬遠して見に行かないわけだな…)。▼モー娘歴の浅い吉澤ひとみ、石川梨華は、そうと感じさせない堂々とした演技、なつみ、圭織は「…だべ」と北海道弁のセリフで場内を湧かせる。▼加護が歌うときにポケットから物を落とし、さっと拾うというハプニングをみて、「ああ、モー娘を生で見ているんだ」と実感。▼いろいろチャレンジして、さらに大きく羽ばたけよ、モー娘!(6日、B席¥7000)。

2001/05/05 土曜日

●「Big Biz」@スペースゼロ

副題が「宮原木材危機一髪」。初日夜の部を観劇(当日¥4300)。▼座長・松尾貴史(キッチュ)のアガペーストアー第4回公演。▼万事調子いい健三(松尾)が同級生、結城(粟根まこと)が電話番をする税金対策の幽霊会社、宮原木材へやって来て、声色を使って、いい加減な電話応対をしたことから100億円の商談をつかむという、ソフィストケートされた21世紀のドタバタ喜劇(作・後藤ひろひと、演出・G2)。▼いささか古いが、ダイラケの「スチャラカ社員」(朝日放送)を思い出した。▼あの番組では白木みのるの声が忘れられないが、このお芝居でも、声に定評のあるキッチュをはじめ、美声でシナトラを歌う後藤、素っ頓狂な驚きの声を上げる粟根と、みんなの声の良さが印象に残ったね。▼“超能力者いじめ”のキッチュも初めは物真似上手で世に出たはず。今回は、開演前の携帯電話を注意するアナウンスで、早速、橋本龍太郎ら十人ほどの声色を使い分け、その期待を裏切らない。▼紅一点の松永玲子も早替わりで目を釘付けにするぞ(スチャラカ社員でいうと、藤純子か)。▼終演後、ホワイエでケラリーノ・サンドロヴィッチを見かけた。

2001/05/04 金曜日

●「夏ホテル」@パルコ劇場

染五郎を除く松本幸四郎父娘総出の一門会と思えばよろしい。ずっと松たか子の姿だけオペラグラスで追っている観客もいた(¥9000)。▼マジシャン、ノグチ(幸四郎)は、プール抜けのマジックを演じるためドイツのホテルに滞在しているが、身代り役の安藤から「行けない」との連絡を受け、窮地に陥る。安藤が日本から来ないのは、助手、カオル(松)との恋愛問題が絡んでいるらしい…といったあらすじの心理劇。▼もう一人の助手、トミ(松本紀保)の愛人、鍋田役も演じる岩松了の戯曲。▼あらら、またも救済なき難解な岩松さんのお芝居をみせられてしまったか。▼他の出演者が串田和美、岩崎加根子と全員芸達者の個性派ぞろい。ちょいとしぐさを伴って、セリフをいうだけで笑いを取る実力がある。でもことば遊びにしか思えないんだな。▼幸四郎もべらんめえの江戸っ子みたいなセリフ回しだし、シアターナインスはもっと涙と笑いを取る商業演劇路線の方がいいのでは?▼そういいつつ、松の「セツアンの善人」のチケットをすでに取ったのだが…

2001/05/03 木曜日

●「アゲイン―怪人二十面相の優しい夜」@紀伊国屋サザンシアター

今や猿之助座付き作者の観もある横内謙介さん主宰、扉座の東京楽日。▼カーテンコールでは扉座「祝二十周年」の垂れ幕が下げられ、主演近藤正臣さんと横内さんがシャンパンを酌み交わした。▼久しぶりに芝居らしい芝居をみた。近藤さんのセリフじゃないが「さらばリアリズム」。やっぱりショービズは観客にこの世にあらざる夢を与えるもの。お芝居はこうでなくちゃ!▼清く正しい心をもった少年が街角から消え、怪人二十面相(近藤)は「時代に負けた」と車椅子の老人に成り果てる。でも「もう一度少年探偵団と戦いたい」との二十面相の気持ちを知った配下の者たちが今や中年となったかつての少年探偵団(六角精児ら)を誘拐し、再びまみえさせるが…といったあらすじ。▼さんざん現実に翻弄されても「命ある限り夢を追い続ける」と二十面相が強く誓って舞台は終わる。らんらんと目を輝かせて近藤さんは気力充実の素晴らしい演技。第一、カッコいい。▼でも横内さんの奥さんは、都内有数の進学校の国語の先生。少年を街角に戻そうとしても、やっぱり現実は厳しいね。

2001/04/22 日曜日

●ナイロン100℃「すべての犬は天国へ行く」@本多劇場

22日は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出によるシリアスコメディーの千秋楽公演を午後2時から3時間楽しんだ(¥4500)。▼男性客には見逃せない作品。だって、戸川純を筆頭に、ロマンチカの横町慶子ら出演者が全員女性なんだもの。▼舞台は、西部劇でお馴染みの売春宿を兼ねた酒場。「うちの人いません?」などといって女たちが酒場へ集まる。でも、男たちはすべて殺され、残されたのは妻、娘や娼婦らばかり。▼女たちは男がいない現実を認めようとせず、男装して夫になりすますなど奇妙な妄想の世界に生きるが、連合赤軍の身内の殺し合いのような殺人が続いて自滅していく…。▼ケラの作品は初見。この人、ことばの聞き違いといったずれを積み重ねて作品の方向を揺さぶり、笑いを取っていく作家だったんだな。▼西部劇だから、派手な銃のドンパチがあって、平和ボケの私らはびっくりさせられるよ。ああ、座席が後ろの方で良かった。でも硝煙くさかったぞ。

2001/04/21 土曜日

●「爺捨(じじすて)」@パルテノン多摩(小)

パルテノン多摩小劇場フェス皮切り公演、なるせゆうせい主宰、劇団インベーダーじじいの見出しの公演をみた(19日午後7時25分から70分間)。桜の赤い花を老夫婦に見せたくて、木の人形キノピオは血を求めて殺人を犯す…。▼早大内の小スペースで日ごろ演じるのと勝手が違って、けっこう舞い上がっていたのかな。役者さんも汗だくだった。▼だから役者本人の人格と役柄の人格が相乗効果を生んで…といった深まりが見られない。ギャグも不発。酒場の主人(白川衆三)が「ひとり突っ込み、…ひとりパントマイム」と連呼してちょっと笑いが起こったくらい。▼冒頭は、一面真っ白の枯れ木の森に、これまた全身白づくめの服装の役者さんが群像で現れて始まる。どっかで見たような? 双数姉妹の「ハクチカ'96〜KIMIDORI Returns〜」の始まりを思い出す。▼初々しいだけで、可もなく不可もなくとしかいえなかった。▼観客を笑わすのも大変なことなんだな。

2001/04/16 月曜日

●山田五十鈴「老妓抄」@紀尾井小ホール

ああ、やってもうた。猛烈自己嫌悪!▼迎賓館の森が望める格式高いホールで文化勲章受章の大女優が朗読劇にチャレンジしたというのに、どうにも眠気を払えなくて、1時間半の舞台を朦朧とした意識の中で過ごしてしまうとは(¥5000)。▼イスに腰掛けて、丹阿弥谷津子が岡本かの子作の見出しの小説の地の文を朗読し、15日夕の部は、登場人物の会話の部分をベルさん(老妓・園子)、高嶋政伸(青年・柚木=ゆぎ)、細川直美(養女みち子)が身振り・手振りを交えて読む。▼時折、小原清耿の地歌三味線も入って…と、ここまではパンフレットの紹介のようなもの。ほとんど寝てしまった。▼それにしてもご老人の観客が多かったせいか、静かな会場には、咳き込む声があちら、こちらとひっきりなし。いびきをかいている人も。▼皆さん、ベルさんが目当てなのだから、ここは三味線を弾いて浮世節たぬきで景気良くという方がやっぱりよかったのでは?

2001/04/06 金曜日



●井上ひさし「紙屋町さくらホテル」@新国立劇場(中)

山田風太郎の開化物小説は、虚実取り混ぜたお話が展開されるのが魅力だが、この戯曲も移動演劇団・さくら隊の丸山定夫(辻萬長)らが宿・紙屋町さくらホテルの女主人(宮本信子)ら素人をスカウトして特別公演を広島で演じるという展開が同様の趣向だ。▼当然、丸山らが数ヵ月後には原爆で亡くなる史実と二重写しになり、園井恵子(三田和代)の「すみれの花」の歌声も本当に切なくなる。▼その他、大滝秀治、井川比佐志、「踊る大捜査線」の小野武彦ら上手い役者が泣き笑いさせながら、米日両国で疎外される日系人の悲劇、天皇の戦争責任なども描く重層的な作品だ。▼しかるに、ひどく空席が目立つのである。開演5分前に、すんなり当日券(Z席¥1500)が買えた。観客の要望にこたえての再演との触れ込みではなかったか!▼三田和代が宝塚の演劇パターンの臭みを演じるところなんか抱腹絶倒なのに…。▼ただし、初演の森光子が宮本になって、いささか彼女のオーバーめの演技が鼻についた。▼次回井上作品に出演の犬塚弘氏をホワイエで発見。

2001/03/28 水曜日



●その満月のような顔は?

27日の青山劇場ホワイエでは、俳優・田辺誠一と劇作家・鴻上尚史さん=写真=をそれぞれ見かけた。▼鴻上さんの顔は、まん丸の満月、以前のシャープなラインが消えていた。▼ああ、中年太りするのは、わしだけじゃなかったと、ちょっとうれしかったね。

2001/03/28 水曜日


●美輪明宏「毛皮のマリー」@パルコ劇場

カーテンコールで舞台から流れ出したスモークに足もとを包まれながら前3列補助席での観劇を終えた(当日券¥8400)。▼開幕すると、美輪さんの入浴シーン。片乳が見えている。衣装に着替えても相変わらず片乳が出ている。ドキッとするではないか。▼マリーの息子、美少年・欣也役の及川光博は、発散する妖しさがいま一つ。お化粧した男性は、いまや見慣れちゃったからな。そのシスターボーイぶりを期待していたのだが…。▼それも致し方なかろう。麿赤児、若松武史、菊池隆則と、周りが個性派、芸達者ぞろいだもの。▼とりわけ欣也を外界・快楽へと誘う美少女・紋白役の若松さんが実に上手い。厚底ブーツのコミケのコスプレ少女のような格好で現れて、観客を翻弄し笑わせる。▼この劇、天井桟敷のにおいを残しつつ、いまや天下のご意見番として、ダメな日本と日本人を叱りつづける美輪さんの鮮烈なメッセージとみた。▼楊貴妃、クレオパトラなど世界の美女に交じって巨乳・経歴不明のK姉妹が登場するのも、こんな醜悪なものに熱中するなというメッセージとみた。

2001/03/27 火曜日


●「野獣郎見参」@青山劇場

堤、古田も良かったが、さすが座長役者! 松井誠(安倍西門、風鏡、道満王役)は、演技の引き出しをいっぱい持っているなあ。硬軟見事に演じ分けて舌を巻いたよ。▼INOUE KABUKIと銘打っている以上、こういう確かな芸と華を持つ俳優をキャスティングしたのは正解。▼小劇場系の公演を見て、いつも不満なのは、役者に華がないこと。美人女優は、西牟田恵くらいだもの。▼等身大の芝居を見るならば、それでもいいが、☆新感線のようなイリュージョン系は華のある役者が酔わせてくれないと、劇の世界に引き込まれないよ。▼前田美波里さん(荊鬼)もとてもあんな大きい息子がいるとは思えない。凄い!▼野獣郎は、阿修羅城や犬夜叉に比べて音響も照明もおとなしく感じられたのだが(いささか遠い2階最前列S席¥8400で見たせいもあるかな?)、荊鬼が滅多刺しにされるシーンでわが体を電流が流れ、それからは俄然、お芝居にのめりこまされた。▼美波里、高橋由美子と歌唱力のある役者が集まったのも良かったね。

2001/03/27 火曜日

●過激・爆笑トーク再録(3/26笑芸人大賞授賞式@紀伊国屋ホール)

◆浅草キッド=会場に田代まさしさんがいるかも、盗撮にご注意ください▽業界で物議をかもしています。だって昇太が10位で円朝が11位。▽内海桂子最終ステージ!▽談志師匠がいるから居眠り厳禁!◆いっこく堂=(副賞は、若人あきらからテトラポットと聞いて)若人あきらの所にいて物真似をやってたのは事実です。でもプロフィールには載せるなといわれてます◆高田文夫=(師匠の柳昇もこの賞が欲しいと伝えてくれといわれたと昇太が受賞の弁を述べて)来年も生きているかな?▽賞状の似顔絵が三木助に似ているのが気になっています◆内海桂子=(副賞は、内海好江師匠形見のバイブレータと聞いて)えっ、好江の何?◆立川談志=田崎真珠は買うな、バカ野郎!(でも食道ガンを患った談志は「9ヵ月くらいで縁切ろうと…」と本音とも冗談とも取れる発言も)。

2001/03/26 月曜日


●第1回笑芸人大賞授賞式@紀伊国屋ホール

26日午後7時から8時55分まで(¥4200)。第一部が、笑芸人大賞優秀賞受賞のいっこく堂、昭和のいるこいる、春風亭昇太のライブ。第二部授賞式には、金賞・ビートたけし、最優秀功労賞・内海桂子、最優秀連載賞・立川談志が顔をそろえた。銀賞・爆笑問題は欠席。司会は、浅草キッド。▼高田文夫編集の演芸誌「笑芸人」(白夜書房)の読者投票による賞で、金賞トロフィーは金色のビートきよし像という人を食ったもの。▼いっこく堂は、おなじみの声と口の動きがばらばらという時差の腹話術を披露したが、見事過ぎて録音を聞くような気がした。▼浅草キッドは、銀賞の爆笑問題に嫉妬してお笑い対決の開催を誓い、「そのときは前座でツービートの漫才をやってやる」とたけしが話すと、会場は大いに湧いた。▼高齢の桂子師匠の元気さも驚き。♪永田町2001年どなたが天下を取っても地球は知らん顔と、よくとおる声で都々逸を披露された。▼談志が「たけしには自己の持つ不条理なものをぶつけていくには映画より落語がいいと勧めているんだ」と話したのも印象に残った。

2001/03/25 日曜日


●唐沢・大竹「マクベス」@彩の国さいたま芸術劇場(大)

唐沢寿明、大竹しのぶ(マクベス夫妻)に、勝村政信(マクダフ)、六平直政(バンクォー)といった配役での蜷川幸雄新演出による劇をみた(B席¥5000)。▼20年前の「NINAGAWAマクベス」は、仏壇の舞台で度肝を抜いたわけだが、今回も東洋的解釈が示されていた。▼冒頭の戦場シーンは、映画「ランボー」というか、ベトコンのような衣装で俳優が登場、マクベス夫人はハスの花を手にして現れ、マクベスの衣装にもハスの花があしらわれているといった具合(「グリークス」といい、蜷川氏はハスがお好きだ)。▼最後に、マクダフがマクベスと剣の死闘を繰り広げ、ついにマクベスを倒したときに「ハー、ハー」と荒い息の音を立てていたのが、これも舞台の“呼吸”を大切にしてきた日本の伝統演劇を感じさせたね。▼でも、大竹さんをはじめ、みなさんの芸達者ぶりには目を見張らせられたものの、それぞれに見せ場をつくった感じで、どうも今ひとつ引き込まれるものがなかったな。

2001/03/21 水曜日


●「こんにちは、母さん」@新国立劇場(小)

昨秋の「萩家の三姉妹」で紀伊国屋演劇賞、読売文学賞を受賞の永井愛、作・演出による見出しの劇を午後7時から10時まで楽しんだ(バルコニー席¥3150)。出演は、加藤治子、平田満、杉浦直樹ら。▼この人の作品は、ことばで想像力を刺激する点で正統な新劇の香りを残している。「トイレのスリッパなんか履いて出てきて、恥ずかしかったわ」なんていう、さりげないセリフが鋭い人間観察を感じさせて印象に残る。▼老いらくの恋、中国人留学生、リストラ、戦争など、重いテーマをこれでもか、これでもかと提示するのも新劇的。でも抱腹絶倒の対話劇で包み込んで、変にとんがらないところが実に巧みだ。▼そこが安心と共感を呼ぶのか、客席には新劇の観客とも違った、実に庶民的な白髪頭、禿頭の年配客が来ていた(休憩中のトイレでも、プッとおならをひりながらおしっこしている老人がいっぱい)。▼こういう大人の鑑賞に耐える劇が増えて欲しいね。▼劇場最後部の通路にイスを置いて、じっと永井さんが見守っていたのも印象に残った。

2001/03/11 日曜日

●「新世紀累化粧鏡」@国立劇場

「いまようかさねけしょうのすがたみ」(原作・鶴屋南北)をみた(3等¥1500)。▼父・中村芝翫を上置きに福助、橋之助兄弟がメーンを張る舞台。▼お家再興のため鯉魚の一軸を捜すお馴染みのストーリーに、恋する男に裏切られた女の怨念話を絡める。▼真夏じゃあるまいに、この時期に怪談かと思ったが、Mr.マリックの技術指導も得てケレン味たっぷりの娯楽作に仕上がった。▼阿国御前(福助)の幽霊が、骨寄せの岩藤のように宙乗りするところは、どうやら「ローマの休日」のスクーターシーンのようにクレーンを使ったみたいだな。▼一瞬にして無地の掛け軸に鯉の絵が現れるマジックもある。▼俄然たのしくなるのは、「鯉つかみ」の死闘。▼滝水が流れ込む池で橋之助、東蔵、獅童の3人が立ち回りをみせるのだが、わざと水をはねて、前列の観客に飛ばす。ほとんど銭湯の水かけっこ状態。▼芝居が終わってロビーへ出ると、お入学式スタイルの黒の洋装をした橋之助の妻、三田寛子さんが子ども連れで、ごひいきにあいさつをしている。成駒屋三代の確かな芸の伝承を感じたな。▼それにしても近藤サトさんが見られなくなったのは残念だ。

2001/03/06 火曜日


●加藤健一事務所「銀幕の向うに」@本多劇場

今日は当日券を買って午後7時から9時30分まで観劇(¥4300)。▼ニール・サイモン作の最後にほろりとさせるコメディー。後半は、涙がわが目を濡らして止まらなかった。▼再演だが、私は初見。▼妻子を捨てロスに住む売れない脚本家ハーブ(加藤健一)の下へ、ニューヨークから娘(加藤忍)がやってくる。16年ぶりの再会で、映画女優になりたいといい、罪滅ぼしにあなたは映画界の友人を紹介する義務があると言い出して父を困惑させる。▼典型的な現代娘のようにみえた娘には、実は父に捨てられたトラウマがあり、それをさらけ出すことで、父と娘は愛情を再確認するといった展開。▼同じチケット代を払うならキャラメルボックスでも見た方がいいといわれそうだが、こういう劇こそ、みんなに見てもらいたいな。でも結構、空席が目立ったのが寂しい。▼カトケンさん、すでに50歳を過ぎておられたか。たしかに上半身の裸は、たくましいけれど肌の張りはなかったなあ。そんなところも父と娘の歳月の隔たりを感じさせた。

2001/02/27 火曜日

●ドラマコンサート「ミッシングピース」@青山劇場

今日はちょっと毛色の変わった見出しの舞台を午後7時から10時近くまで(A席¥3000)。▼主な出演は、武田真治、緒川たまき、市川右近(演出も)。バイオリン演奏は、新進の美人奏者、吉田恭子。▼朗読劇とクラシック演奏が融合された作品。ツケ打ちがあったのが右近演出らしいところ。作詞家、売野雅勇の作だから、「美しさが強暴な力」とか、右近にきざな朗読をさせる。▼芸大客員教授、ヴァインフェルト(右近)とバイオリン院生、周子(緒川)の心を19世紀の音楽家、ヴィエニャフスキが愛するジプシーの少女へ捧げた“失われた楽章”が結びつける。▼が、周子は東欧旅行で知り合った桧森(武田)に心惹かれ、共に失われた作品を求めて、ワルシャワ、モスクワ、パリを旅することに…といったストーリー。▼「めちゃイケ」(フジTV)の花輪が届いていたが、もちろん岡村隆史の乱入はなし。▼武田はバラエティー番組では精彩がないが、朗読は上手いなあ! このヒト、美輪明宏の路線を継承できるのではなかろうか。魔女の声が良かったぞ。

2001/02/25 日曜日


●「さらば浅草パラダイス」@新橋演舞場

午後4時40分から9時10分まで観劇(3等A¥3150円)。▼平成9年の「浅草慕情―なつかしのパラダイス」に始まった名物シリーズの4作目。これが完結編という。▼私はシリーズ初見。渡辺えり子出演の昨年は、チケットが取れなかったのだ。▼今日も立ち見が出る大人気で、金沢からの団体客も(帰ったら何時になるのだろう!)。▼が、期待したほどではなかった。若旦那崩れのセミプロ芸人のままで腰が据わらない卯之助(中村勘九郎)を妻おかつ(藤山直美)が「あんたは半端者や。卑怯者や」と心ならずもなじるところなんかは印象に残ったものの、総体的には夫婦愛の描き方が浅くて物足りない。▼無理もない、出演者が豪華過ぎるのだ。オリジナルキャストの柄本明に、今回はラサール石井、Mr.マリック、さらに中国から来日した女優李丹や京劇男優も出演。ほかにも有名な人がいっぱい。それぞれに見せ場を作るから、浅くなるわけだよ。▼やっぱり、シリーズを終える潮時だったな。▼都はるみ風に「♪林檎の木の下で〜」と藤山が歌声を聞かせるフィナーレには満足した。

2001/02/24 土曜日


●花組芝居「かぶき座の怪人」@スペース・ゼロ

24日午後6時過ぎから9時まで観劇(¥6000)。▼後半、座長・二子玉屋、加納幸和演じる新劇女優・九重八重子が、歌舞伎役者・男女川恋松(桂憲一)に稽古をつけながら、スポットを浴びて消えるシーンには鳥肌が立ったね。▼観劇中、八重子の相手だから守田勘弥か、いや違う市川猿之助だ。してみると八重子は藤間紫か。どっこい違う、太地喜和子だ…なんて、モデルを詮索しながら楽しんじゃった。▼せっかく力のある俳優さんたちをそろえているんだから、何もショーパブみたいな真似をして、あざとく笑いを取らなくてもいいのに、なんても考えた。▼これで市川右近でも客演したら凄いだろうな。

2001/02/23 金曜日


●そとばこまち「友情しごき教室」@本多劇場

22日午後7時から2時間観劇。▼生瀬勝久率いる劇団そとばこまち、3年半ぶりの本公演。▼ドリンク剤ゼナのCMで所ジョージと共演する温水洋一や才人・松尾貴史が客演。▼舞台は、パソコンの置かれたデスクが並ぶ世界一ハム消費者相談室(西川課長役が松尾、ダメ室員・大平が温水)。暗転すると、午後からパソコン教室を開く一風変わった喫茶店に早替わり(生徒をしごくマスター役が生瀬)。▼職務に忠実な室員、吉岡(八十田勇一)は、職場でたまたま同僚女性へセクハラ的言動を働き、喫茶店では思わずウエートレスを泣かしてしまい、それぞれから復讐を受けて悪夢を見る羽目に…といった筋書き。▼サラリーマン、そんなに疑いもなく頑張らなくていいんだよ、というのがテーマらしい。▼確かに「部下は上司を選べない」という格言があるとおり、サラリーマンは辛いこともあるよ。▼でも演じる皆さんのように芸術の才能に恵まれたヒトたちはいいけれど、わたしら凡人は、そこそこにリーマン生活に喜びを見出しながら生きているんだけれど…。

2001/02/15 木曜日


●森光子「新橋ラプソディー」@芸術座

1本目の観劇は、午後零時半から3時45分まで見出しの観劇(B席¥4500)。▼森さんのお芝居は、ぜひ見たい。なぜって、名演を見られるのが時間との勝負だから(まことに失礼!)。▼昭和8年から東京五輪の39年まで、新橋の料亭を舞台に、芸者、進駐軍相手のジャズ歌手、洋モクの闇屋、料亭の女将、保険の外交員と転身しながら、たくましく生き抜く女性が森さん(共演は赤木春恵、すまけい、段田安則ら)。▼料亭に出入りする人々が、無声映画スター、トーキー映画俳優、そしてテレビマンと、昭和のメディアの変遷も絡めてあるのがミソ。▼森さんの妹芸者を演じた有森也実が、田舎なまりでしゃべったり、場内に響き渡る大泣きをしたりと、気取りを捨てた弾けた演技を見せてとてもいい。▼すまけいの福島弁を団体客が大笑いしていたが、その観客、福島県のH市商工会ご一行だったのがご愛嬌。みなさんも相当なまってたぞ。

2001/02/15 木曜日


●「ピカドン・キジムナー」@新国立劇場

2本目は、当日券を買って午後7時から10時近くまで見出しを観劇(Z席¥1500)。▼この値段で、舞台に近いボックス席といった位置、主な出演者が益岡徹、寺島しのぶ、辻萬長、倉野章子と実力派の主役級ぞろいだから、かなりお得。▼昭和47年、“本土復帰”を果たした沖縄を舞台に、戦火を避けて広島へ疎開しながら、そこで原爆の洗礼を受けてしまった沖縄人の悲劇を描く。しかも基地経済に依存しなければならないジレンマや、在日韓国人被爆者問題も絡む。▼「日本人は、原爆体験を被爆シーンから始めるが、おれたち在日がなぜ日本に連れてこられたのかを忘れている」といった重いセリフがある。▼でも、重いばかりじゃないよ。子役たちが達者な演技で笑いを取って、和ましてくれるのが救いだ。▼「萩家の三姉妹」で三女役を好演した岡本易代が出演していて、その劇で共演した小山萌子が客席で観劇していた。

2001/02/12 月曜日


●「追いつ!追われつ!!」@本多劇場

悪家老に追われるお世継ぎの若君。どんでん返しに次ぐどんでん返し。そんなマゲモノコメディーを見て、本多劇場には老人特有のくぐもった笑い声が響いた。▼そりゃそうだ、伊東四朗、小松政夫のコンビ芸が5年ぶりに見られるのだもの。年配者もたくさん押しかけた。▼「伝染病…」というせりふで、早速、小松さんが電線音頭のふりをみせたりと、『みごろ! たべごろ! 笑いごろ!!』('76、テレビ朝日)でブレークしたギャグ満載のドタバタ喜劇。▼ただし、懐かしいと思うばかりで、私は心底、笑えなかったのも告白しないといけない。▼お二人もさすがに歳を取られた。で、高田文夫氏の表現を借りると、“勢い”“ネタの旬加減”“笑いの量”が往年に及ばない。▼ああ、せめて20年前にライブを見たかったなあ。▼そうそう、加賀まりこさんが見に来ていた。

2001/02/11 日曜日


●市原悦子「ロード・ショー」@東京グローブ座

このお芝居、「大沢家政婦紹介所から参りました」(TV朝日『家政婦は見た!』)の市原悦子さんをみられると思ったら、はぐらかされる。▼やはり舞台人の血が騒ぐのかしら。こういう歌あり、ダンスありの実験的な作品をやってみたくなるんですなあ。▼アンディー(高野長英)は夫婦で自動車旅行の途中、田舎町でかつての恋人、イヴリン(市原)と再会。人生をやり直そうと決意するが、結局、昔には戻れなかった…という筋書き。▼M・シスガル作のオフブロードウエー作品。アンディーは万年文学青年でいたかったのに、妻子を養うために文学を捨てさせられたと妻をなじるところなんか、私も身につまされた。▼でも、出演のベンガルがどうしてあそこで手品を始めるのだろう?、なぜチャップリンの物真似をするの?といった疑問符の連続で、戸惑うばかりの作品だった(ベンガルは、とぼけた味わいで笑わしてはくれたが…)。

2001/01/28 日曜日


●「真情あふるる軽薄さ2001」@シアターコクーン

毛糸編み機を背にしきりと行列を挑発する青年の姿は、既成秩序に埋没する日常の中で目立ちたい男で、「何だ。成人式に高知県知事を野次った連中と同じじゃないか」なんて思った。▼もっとも現代青年は挑発することばも貧困で、「帰れ」くらいしかいえないのだが…。▼こんな狂気をたたえ知性のかけらもない青年を演じられる萩原聖人こそ、2001年にふさわしく、ぜひ見たかったな。▼楽日の今日は、カーテンコールで清水邦夫、蜷川幸雄両氏が登場。まず井出らっきょが、禿頭に黒テープを張り、両サイドだけ髪が残った蜷川氏の髪型を真似て登場し観客を喜ばした。最後は、パンツいっちょうで舞台を駆け抜けるサービスも。▼上演後、幕切れに現れた舞台搬入口の方へ回ってみると、早速、バラシが始まっていた。

2001/01/27 土曜日


●「犬夜叉」@赤坂ACTシアター

昨年「阿修羅城の瞳」を見たときとおんなじ。またも演出・いのうえひでのりのmagicにはまり、客席をレーザー光線が舞うと、体中を戦慄が駆け抜け、奇妙な浮遊感覚にとらわれた。▼今日の東京は、未明からの大雪。職場での除雪作業に追われ、私の体はへとへと。▼でも、この白髪頭の親父が劇団☆新感線と聞いては我慢できなかった。当日券(S席¥7500)を買って午後7時から10時まで初日舞台を観劇。再演だが、私は初見。もちろん原作漫画も読んだことはないよ。▼あの傾斜のついた舞台で佐藤アツヒロが殺陣で熱演。脇を固める京晋佑のねっとりとした好色ぶりが笑いを誘い、西牟田恵、遠山景織子は本当にキレイ。▼三人組の妖怪がレ・イ・クと人文字を作ったり、小ネタでも大いに笑わされた。

2001/01/14 日曜日

●片桐はいりさんが…

13日に風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン」を観劇したわけだが、前の方の席に、片桐はいりさんが座っているではないか!▼うしろから見ても、あのえらの張った顔とオカッパというか、その独特の髪型で、一目で分かる。▼ピンクのセーターに、柄のスカート。▼芝居が終わると、仲間の男性と近所の「三平酒寮」宴会場へ消えていきました。三平は、安いから私もお気に入り。ちょっと侘しい酒場という雰囲気もいい。ただし室内は“キレイ(?)”なのが難点だが…。▼片桐さんて庶民的な人だな。

2001/01/14 日曜日


●風間杜夫ひとり芝居「カラオケマン」@新宿シアタートップス

水谷龍二作・演出の見出しのお芝居の初日を午後7時5分から1時間半みた。▼オジサン、オバサンの観客が多いのがうれしいね。▼ライトが点くと、演歌歌手よろしく着物姿の風間さんが三波春夫の長篇歌謡浪曲「俵星玄蕃」を延々と歌い出すという意表をついた現れ方で観客を早速喜ばせる。▼カラオケ接待が得意でリストラを免れているとうそぶく50歳、メーカー営業課長の人生の哀歓が何でもござれのカラオケメドレーでつづられる(だいぶ、JASRACへ著作権料を支払わないといけないのでは?)▼この課長、部下との不倫デートもカラオケでなのだが、結婚を迫られてあたふた…。風間さん、のどの酷使か、ときどきかすれたりして決して唄はお上手ではないのだが、それがこんなシーンにとても似合っている(でもセリフは「Xファイル」のモルダーの吹き替えを思い出させて、とてもステキな声だ)。▼それにしても、昔は当時の世相がよみがえる歌が存在していたのを痛感する。今じゃ、てんでばらばらで国民的ヒット曲ってのはなくなったなあ。

2001/01/04 木曜日

●えんぺ大賞受賞作を見られた幸運な観客数

「えんげきのページ(通称えんぺ)」という小劇場系に強いホームページがあるのだが、そこが選んだ2000年えんぺ大賞受賞作を東京で見られた幸運な観客数は、試算すると次のとおり(選考委員の一人、まねきねこ氏のホームページ「演劇◎定点カメラ」の詳細な観劇リポートに掲げられた上演回数、観客数を参照した)。◆大賞および最優秀パフォーマンス公演「フリル(ミニ)」珍しいキノコ舞踊団⇒13回×70人=910人▼最優秀演劇公演「腑恥屠魔屠沙羅唾記念日」(ゴキブリコンビナート)⇒6回×90人=540人▼最優秀新人公演「騎士クラブ」(ポツドール)⇒7回×80人=560人。◆東京都の人口が昨年11月で約1200万人だから、それぞれ都民10万人に対して8人、5人、5人が見たということとなる。◆たとえばノミネートされて入賞を逸した「キレイ」(松尾スズキ演出)では、22回×700人=1万5400人。都民10万人に対し128人が見たこととなる(数字に弱いので間違っていたらゴメンなさい)。

2001/01/04 木曜日

●何で思い出し笑いしているの?

国立劇場とか歌舞伎座の3階席に座っていると、びっくりするようなご老人に出会うことが多い。▼このたびは国立の初春歌舞伎公演を見たのだが、両側がかなりお年を召されたおばあちゃんとおじいさん。イヤーな予感がしたね。▼まず、おばあちゃん。こちらがうっとりと中村時蔵の舞踊に見とれているのに、手にした公演ちらしを見ては、「ふふ、ふふ…」と、時折、思い出し笑いのような笑い声を立てている。▼ちらしは、3月花形若手歌舞伎の怪談「累(かさね)」だよ。断じて、笑える代物じゃない。▼もう片方に座ったおじいさん。「わたしゃね。吉右衛門が女方を演じるというから見に来たんですよ」と、しきりに話し掛けてくる。▼ところが公演中にもかかわらず、客席で缶ビールを飲んでいて、やがて熟睡。▼「あんた、いま女方で登場しているんですよ!」。これじゃ、若い人もなかなか歌舞伎に寄り付かないやね。

2001/01/04 木曜日

●初春歌舞伎公演@国立劇場

新世紀初日の3日正午からみた(3等席¥1500)。▼玄関口では、甘酒が振る舞われ、「何て、サービスのいい公務員だ!」。幕間には獅子舞も。▼そんな新春気分いっぱいの中で、演目は、中村時蔵の舞う「舞妓(しらびょうし)の花宴」と中村吉右衛門らが演じる「奥州安達原」2幕3場。▼本公演の話題は、何といっても吉右衛門が珍しく女方にチャレンジし自ら三味線を弾く「袖萩祭文」を含む後者の狂言。▼吉右衛門は、安倍貞任とその妻、袖萩の男女二役早替わり(二つ玉)にも挑む。▼で、どうかというと、目が不自由になり、祭文語りにまで落ちぶれた袖萩が娘、お君(種太郎)の手を引いて、両親に再会するシーンはまことに哀切で、泣かされちまった。▼種太郎クンの熱演に助けられたのも否めないがまずは女方成功だ。▼種太郎の父、歌昇も、猿之助一座でいうと右近といった役回りで熱演して助けた。▼当方は子どものころ、歌昇が光輝と名乗って子役で出演するTV番組を見ていたのだ。いま親子共演を見ているなんて、やっぱり新世紀だなあ。▼いや歳を取っただけか!

2001/01/03 水曜日


●泪目銀座公演「OVER THE CENTURY―百年の彼方に」@シアタートップス

「小市民ケーン」脚本、福島三郎の演劇ユニット公演。▼舞台設定は、19世紀末のひなびた教会。洋館の別荘を探している華族夫婦に不動産ブローカーの男が絡んで、教会を手に入れようと神父(村田雄浩)の追い出しにかかる…。▼当日券をゲット。2日午後6時から約2時間20分間みた(¥4200)。折りたたみイス155席の小空間(隣の男が笑うと口臭が…)。▼俳優がはっきり見られるうえに時代設定が近代なのが災いして(お尻が痛かったせいもあろうが)、どうも劇に没入できなかった。▼村田さんは、骨太、がっちりとした体形で、どうにか百年前の日本人でもおかしくないが、西牟田恵さんは、現代的美人で、田舎娘には到底見えない。他の配役も同様の感。▼どうも新劇リアリズムに毒されて、歌舞伎や時代劇なら許せることも気になるのだ。男爵家に公爵の娘が嫁入りするか?、破産して爵位剥奪じゃなく、爵位返上では?などなど。▼ほんわかとしたユーモアをたたえた村田さんをはじめ、みんな演技派で、笑わしてはくれたが…。

2001/01/02 火曜日

●私の2000年演劇ベストテン

印象に残った男優・女優がいたお芝居の観点から選んだ(カッコ内が印象に残った俳優、必ずしも主演にあらず)。▼(1)「阿修羅城の瞳」8月@新橋演舞場(市川染五郎)▼(2)二兎社「萩家の三姉妹」11月@三軒茶屋シアタートラム(余貴美子)▼(3)「法界坊」11月@浅草・平成中村座(中村勘九郎)▼(4)「ラ・マンチャの男」5月@帝劇(松本幸四郎)▼(5)「唐来参和」11月@紀伊国屋ホール(小沢昭一)▼(6)劇団☆新感線「古田新太之丞 東海道五十三次地獄旅〜踊れ! いんど屋敷」11月@サンシャイン劇場(羽野晶紀)▼(7)樋口可南子「欲望という名の電車」10月@新国立劇場(七瀬なつみ)▼(8)森光子「雪まろげ」10月@芸術座(山田まりあ)▼(9)波乃久里子ら「頭痛肩こり樋口一葉」8月@新橋演舞場(新橋耐子)▼(10)黒柳徹子「レティスとラベッジ」12月@ル・テアトル銀座(高畑淳子)

2001/01/01 月曜日

●「矢崎滋しろうと寄席」年越し大会@東京芝居倶楽部稽古場

「白鶴まる」のCMで知られる矢崎滋氏とその軽演劇をめざす劇団「東京芝居倶楽部」座員が落語を演じる見出しの寄席へ行った(¥2000)。▼稽古場のある早稲田では、近所の早大で受験生を集めたカウントダウンイベントが盛大に開かれているというのに、こちらは午後9時から11人のお客を集めて、こぢんまりとスタート。▼午前5時までということだったが、当方は矢崎氏の「ねずみ」「代り目」「幾代餅」「千早ふる」を聞いて午前3時で退散した。「は〜疲れた!」▼途中、昭和2年の小説家の家庭を舞台にした「可児(かに)君の面会日」のワークショップも見せてくれた。若手座員が演じる中、「そこのところ、何かを思っている気持ちをこめるのが大事なんだ」なんて、矢崎氏がダメだしを挟み、なるほど、こういう過程をへて演劇が誕生するのかと興深く見入った。▼座員に落語をさせるのも、いわばワークショップ。落語は、一人芝居だし、反射神経、間の取り方、日本文化に親しませるなど、種々、効能がある。▼ジャパネスクな座員が大きく羽ばたくのを期待したい。

2000/12/31 日曜日

●「第432回紀伊国屋寄席」夜の部@紀伊国屋ホール

30日午後6時30分開演。▼「一目(ひとめ)上り」〔柳家三三(さんざ)〕、「能狂言」(鈴々舎馬桜)、「睨(にら)み返し」(柳家小さん)の順に演じられて、中入り後が大喜利鹿芝居「与話情浮名横櫛」源氏店一幕。▼大正4年生まれ、人間国宝の小さん師匠の落語が聞けたのが何よりの収穫だった。▼噺は、言い訳屋が、にらみ返すだけで大晦日の借金取りを次々に追い返してくれるという一席だが、小さん師匠が扇子をキセルに見立てて吸うところなんか、実に味があった。▼驚くなかれ、1時間の鹿芝居が演じられた後に再登場し、「あたしも思うようにしゃべられないが、紀伊国屋寄席を隆盛にしたい」とあいさつし、会場に呼びかけて三本締めで締めたのだった。▼実はあたしも鹿芝居でお富を演じたことがある。そのとき切られ与三は文楽、こうもり安は5代目円生だったなんていう思い出話も飛び出した。▼さすがにお年を召されて、ゆっくり間を取ってしゃべっているのか、噺が思い出せないのか分からないようなところがあるけれど、いつまでも高座を務めて欲しいものだ。

2000/12/31 日曜日

●鹿芝居「与話情浮名横櫛」@紀伊国屋ホール

花組芝居の加納幸和さんがお富、山下禎啓さんが和泉屋多左衛門を演じた見出しの鹿芝居見た【紀伊国屋寄席30日夜の部¥3000】。▼本来の配役は、切られ与三(鈴々舎馬桜)、こうもり安(五街道雲助)だったのが、夜の部は配役を交換したので混乱したらしく、お富の加納さんがセリフの途中で、「段取りが違うから分かんなくなっちゃった」なんて弱音を吐くところがあって、大笑い。▼馬桜の切られ与三も大向こうから「待ってました」「たっぷり」なんて掛け声がかかっているのに、役を交代してセリフがきちんと入っていないから、「ここからがよく分かんねえ」なんてぼやいて笑わせる。▼カーテンコールは、おひねりが飛び交う中、噺家さんが歌ってお富さんが踊るなど、ちょっと大衆演劇の歌謡ショーのような楽しさ。▼一年の締めくくりを抱腹絶倒で終えられた。

2000/12/30 土曜日


●「年忘れ世直しトリオコンサート」@紀伊国屋ホール

おん歳70歳の野坂昭如さんを筆頭に、小林亜星、永六輔の昭和ヒトケタトリオが歌い、トークする1日だけの忘年会を最前列で楽しんだ。▼とりわけダニアースのCMで畳から顔を出す昭如さんが目いっぱい、はちゃめちゃぶりを発揮して笑わしてくれた。▼だって昭和天皇のロウ人形を車椅子に乗せて舞台に登場してくるのだもの。あんまり似ているので、度肝を抜かれた。▼司会がお懐かしや、中山千夏さん。ゲストの小室等さんと、久しぶりの歌声を聞かせてくれた。その他ゲストは、バラクーダ、デュークエイセス(アカペラが凄い!)、中島啓江(だるまさんが歩いてくるのかと思ったよ)ら。▼小室さんが言っていた。「僕のコンサートの観客も年齢層が高いが、この会場ほどじゃない」と。▼かつて無党派を気取った観客も、世直しトリオと同じく、ジイサン、バアサンになったのだよ。(27日午後6時30分開演、¥3000)

2000/12/30 土曜日

●「リタの教育」@下北沢OFF・OFFシアター

焼きイモ売りの声も響いてくるわずか90席の小劇場での再々演。私は初見。▼詩人崩れの飲んだくれ大学教授フランク(有川博)の社会人講座に、目に一丁字もない美容師リタ(富本牧子)が英文学批評を学びに入ってくる。自分の人生をもう少しマシなものにしようという向上心からだ。▼フランクの薫陶よろしくE・M・フォースターを「SMフォスターなんていやらしい」といっていたリタがぐんぐん学力を伸ばし、庶民の生き生きとした魅力を失って、酒びたりのフランクを見下すインテリ女へと変容していく…。▼いわば「マイ・フェア・レディー」だが、幕切れは、ほろ苦く、リタは、従順に男に育てられる紫の上にも、玉の輿に乗るイライザにもならないのが現代的なところ。▼でも、私の後ろに腰掛けた女性は、「サマセット・モームってだれ?」なんて同行した男性に聞いていて安心したよ。▼千秋楽で、拍手にこたえる有川と富本の目に光るものがあったのが、ぐっときた。(27日午後2時開演、¥4000)

2000/12/23 土曜日


●「レ・ミゼラブル」@帝劇

大劇場2階奥のB席(¥4000)でみるのは厳しいものがある。▼妻と出かけたが、ファンテーヌを指して、「さすが島田歌穂は上手ね」なんていう。▼何をいってるんだ! あれは、鈴木ほのかだ。いくら歌穂さんがお年を召されたからといって、まだ当たり役のエポニーヌを演じているよ。▼結局、みえていないのだ。けっこう薄暗いシーンが多かったしな。お隣の男性は、ライカの双眼鏡でみている。▼さて23日夜の部出演のトリプルキャストの面々は、滝田栄、川崎麻世、安達祐実。▼祐実ちゃん、かわいい声を出すな。堀内敬子さんのも聞いてみたかった。▼圧巻は、言い古されているけれど、やはり島田歌穂さんの歌唱だった。うっかり口ずさんで、妻に「うるさい」と注意されちゃった。

2000/12/11 月曜日

●竹中直人の会「隠れる女」@本多劇場

10日午後7時から2時間半ほど、岸田今日子と小泉今日子のW今日子を迎えた見出しの劇をみた。作・演出、岩松了。▼吹雪の舞う山荘、そこに結婚生活に破れた真(竹中)と母・秀子(岸田)が住む。山荘は、売り出されているのだが、仲介する不動産屋がやってこない。▼そこへ「人を轢(ひ)いたかもしれない」と英子(小泉)がやってくる(Wひでこだ!)。どうやら不動産屋をひき逃げしたらしい英子を泊め、「行かないでくれ!」と親子はかくまうが…といった作品。▼公演は30日まで続くというのに、すでに限定販売の脚本は売り切れ。▼脚本買いたくもなるよ。3人がいがみ合い、怒鳴り合う科白のやりとりの中から、(私の理解に誤りがなければ)近親相姦、誘拐といったなぞがほのかに浮かび上がるのだが、すっきりと解決されないまま芝居は終わる。▼もういっぺん、脚本で確かめたくもなるよ。▼まあ、竹中・岸田・小泉の名演を見られただけで満足するべきか。岩松さんも出演したし…。

2000/12/10 日曜日


●ダムタイプ「メモランダム」@新国立劇場小劇場

ハイテクパフォーマンス集団Dumb Typeは、初見。▼その演劇とも舞踏ともいえない作品“memorandum"を10日午後1時から約1時間15分間、見たのだが、何ともすっきりしない。▼そのもやもや感の解答は、何だ! 会場プログラムに書かれているではないか――。「ハイテクノロジーを使った空間設計と、人間の身体という遅れたメディアとの不均衡がここにはある」と。▼座席に共鳴する大音響と目まぐるしく移り変わるビデオ映像の前で、何ともパフォーマーらの踊りが稚拙だ。▼おまけに、犬だか熊だか分からない着ぐるみで現れるシーンもある。ユーモアのつもりなのだろうが…。▼あれだけ最先端のマルチメディアを駆使するのなら、しょせんアナログな人間の踊りは、ジョルジュ・ドンのように、その気迫が伝わってくるような踊りじゃないと、つりあいが取れないと思うのだ。

2000/12/03 日曜日


●津川、中井、戸田さん、そして梓さん

黒柳徹子さんの「レティスとラベッジ」の観劇で、ボックス席から下の席を見下ろしていた妻が白ジャケットに立派なおヒゲの津川雅彦さんを発見。▼その横、数席離れて座っている黒トックリセーターにジャケットを羽織った男性も見覚えがあるのだが、うつむいてばかりなので、はっきりしない。▼終演後、ホワイエで確認すると、その男性は中井貴一だった。おまけに戸田恵子と談笑しているぞ。▼「出待ちをしましょう」との妻の提案に従って、しばらく劇場前=写真=で待つと、おやおや劇場の上にあるホテル玄関から出てきたのが梓みちよさん。▼妻は大喜び。

2000/12/03 日曜日

●黒柳徹子「レティスとラベッジ」@ル・テアトル銀座

奮発してBoxシートで午後2時から楽しんだ(ペア¥16800)。▼女優だった母の血を引き、万事、芝居がかってしまう元歴史的建造物ガイド、レティス(黒柳)と、謹厳実直を絵に描いたような歴史保存委員会職員、ロッテ(高畑淳子)の友情物語。▼レティスに勧められたハーブ酒・ラベッジに酔ったロッテは、日ごろ押し殺していた感情を一気に吐き出して意気投合するが、レティスにロッテ殺害未遂の嫌疑がかかって、弁護士(加藤武)が解明に乗り出す…。▼舌っ足らずにまくし立てるお馴染みの黒柳さんの名演はともかく、高畑さん=写真=が感情を噴出させる、その豹変ぶりが上手い。▼加藤武さんも、タンディディディンと、太鼓のリズムに合わせた、とぼけた行進をして、満場の爆笑と拍手をさらう。▼何事も機能優先の現代文明への批判を込めた上質の笑劇だった。

2000/12/02 土曜日

●大川興業第25回本公演「業 業 業」@本多劇場

タイトルは、"Go Go Go"、といってもDJ・糸居五郎じゃないよ(古いか!)。▼1日午後8時から、2時間たっぷり笑わされた。▼大川興業というと、江頭2:50らを擁す応援団風キワモノ集団という印象が…。▼が、若い観客が「今回の江頭、まともだったじゃん」と話していたとおり、2010年代のバーチャルリアリティーとリアリティーの境界があいまいになった近未来社会を舞台に、コンピュータゲーム感覚で、殺人者に仕立て上げられそうになるホモ、東條(江頭)を描く、まっとうなストレートプレイだった。▼登場人物の造形では、下丸子(大川豊)が際立って面白い。▼下丸子は対人恐怖のハッカーで、聞き取れない小声でしゃべる代わりに、珍妙な手のしぐさで意志を伝えようとする。そのジェスチャーが滅法、面白かった。▼15年ぶりに同級生へ電話連絡し、「某政党への投票を依頼するんじゃありませんよ」としゃべるなど、ちょっとした科白で爆笑も誘う。▼本公演は、今回が第25回。キワモノ的存在で飽きられない、彼らのしぶとさが感じられた舞台だった。

2000/11/27 月曜日

●「わたしに言わせると死刑!」

26日午後10時から日本テレビで放映された「おしゃれカンケイ」。ゲストは23日にコンサートを拝聴したばかりの美輪明宏さんだ。▼自らの美意識にかなわないものは、「死刑!」と木っ端微塵に粉砕する発言の小気味好さ。もっともコンサートの始まりで携帯電話の着メロが鳴り出したのを聞きとがめて「携帯を切らない人は死刑!」ともおっしゃったが…。▼番組では、TK一味の歌手を「みゃーみゃー歌う」と批判されていたが、コンサートでは「打ちっぱなしのコンクリート建築が綺麗だと思いますか?」と、都庁を設計した有名建築家らを槍玉に挙げて怒っていらした。そういった建築家の前世を霊視すると、「コンクリート剥き出しの塀に囲まれた刑務所で刑死した人間だ」とも。▼淡谷のり子亡き後、正論を述べられる歌手は、美輪さんだけだと心底から思うのでした。

2000/11/25 土曜日


●小椋佳30周年記念コンサート【デビュー】@グリーンホール相模大野

妻のリクエストでチケットを取って、24日午後6時30分から9時20分まで楽しんだ(A席¥5500)。▼ビルが林立する都会をイメージさせる中割の中央のパネルがドアのように開き、背後からスポットライトに照らされて小椋佳さん登場。▼目をこらして遠眼鏡で注視すると、あれれ、だれかに似ている。禿頭にサングラス…。そうだ、殿山泰司そっくり。▼2曲目の「俺たちの旅」が始まると、妻が早くも感極まって滂沱(ぼうだ)の涙。古くからのファンなのが自慢。それとも昔のボーイフレンドとの思い出でもよみがえったのかな?▼第1部9曲目の「さらば青春」では、小椋もミュージシャンも立ち上がって唄ってくれた(普段、コンサートで座ったままなのは、自分の曲は忘れるので、譜面台の歌詞を見ないと安心して唄えないからだそうだ)。客席から盛んに手拍子が入って、私もしみじみ懐かしさに浸ったよ。

2000/11/25 土曜日

●ファンはインテリが多い!?

23日のコンサートで美輪明宏さんは冗談半分に「わたしのファンはインテリが多い」と豪語していたが、休憩時間、おばさま族がどんどん男子トイレに入り込んでくるのには閉口した。15分間の短い休憩に焦る気持ちは分からないでもないが…。▼コンサート後、閉店間際の値下げを狙って、まず京浜東北線、南浦和駅西口のスーパーマーケット「コモディ・イイダ」を覗いた=写真。惣菜コーナーで半額割引品を物色していたら、売り場のお兄さんが「さらに半額にしますよ」とうれしいことをいうじゃないか。つまり4分の1にするというのだ。▼すかさず手を伸ばし、銀ムツカマ照り焼き¥360⇒¥90などをごっそり買い込んだのは言うまでも無い。▼次いで東口に回って、マルエツでも半額割引の惣菜をごっそり買い込んで、自宅まで買い物袋を3袋下げて、意気揚揚と帰宅したのだった。

2000/11/23 木曜日

●「美輪明宏音楽会《愛》」@浦和市文化センター

9月に渋谷パルコ劇場で見られなかった見出しのコンサートを埼玉県南浦和で、午後5時からアンコールの「老女優は去り行く」まで約3時間弱、楽しんだ(A席¥4000)。▼第一部が自作曲で、第二部がシャンソンの構成。圧巻は何といっても、美輪が「放送禁止歌扱いされた」と語った「ヨイトマケの歌」。▼涙がこぼれて止まらなかった。美輪が差別は人の心の中にあり、それこそ問題とすべきで、差別語自体に罪はないとトークで言ったとおりだよ。こんな素晴らしい歌を封印すべきじゃない。▼トークも炸裂。いまの日本文化は「ウンコ文化」と言ったり、このたびの森首相おろしのごたごたを評して、「今度の参院選が楽しみですね」なんて笑いを誘う。▼トークは、失われた日本文化への愛惜の念がこもり、神託を下すがごとき印象がした。憂国の士だな。▼来春3月の「毛皮のマリー」再演や、再来年に演じるという「黒蜥蜴」が楽しみだ。

2000/11/20 月曜日


●「きゃー。テレビに出たの!」

TBSテレビで毎週日曜午後8時から放映の『どうぶつ奇想天外!』。▼11月19日オンエア分で、チラッとだが、妻がテレビに映ったとご満悦だ。▼先日、観覧者募集に応募して当選。赤坂のTBSスタジオに午後5時20分に集合、2本撮りの収録が終わったのは午後10時近かったそうだが、司会のみのもんたをはじめ、高田純次、石塚英彦、恵 俊彰、渡辺満里奈らを間近に見られたと喜んでいた。▼編集されているので分からないが、番組で動物のビデオが始まると、みのはすぐに裏へ引っ込んで休んでいたという。そりゃそうだ、昼間の帯番組も持っているんだもの。いつもテンション高くしていたら、疲れちゃうよな。▼回答者がフリップに回答を記すのにも結構、時間がかかったという。▼普通、観覧者は映さないが、「スタジオのみなさんも回答してみてください」とみのに促されて、○×の札を掲げたところが映ったわけだ。▼妻は、「あたしが美人だから、カメラもちょっと停止して撮っていたわ」というのだが…。

2000/11/20 月曜日


●「古田新太之丞 東海道五十三次地獄旅〜踊れ! いんど屋敷」(劇団☆新感線)@サンシャイン劇場

「痛快ドタバタ歌謡チャンバラミュージカル」を当日券を電話予約して観劇(¥6300)。電話が30分近くつながらず、ひやひやしたよ。▼さて開いた口がふさがらないというか、この白髪混じりの40男の俺様に何たるお芝居を見せてくれたのだ(悪口じゃないよ)。▼劇団20周年公演というが、いきなり古田新太の裸が登場、局部に天狗のお面とは!▼20年前というと、70年安保から10年が経過、学生運動は退潮し、急速に脱イデオロギーの時代に向かっていたとはいえ、まだ早大第一学生会館屋上には革マル派の見張り塔が建っていたのだぞ。それから20年…。▼だじゃれ、パロディー、小道具を駆使した小ネタで笑わし、思想性はゼロ。なるほど失言の多い大男が首相になれる時代になったわけだ。▼と、僕の中のジキル氏は嘆きつつ、ハイド氏は「好きです! こういうお芝居」。▼「阿修羅城の瞳」のビデオ(¥8500)も買えて大満足。

2000/11/19 日曜日

●中村勘九郎「法界坊」@平成中村座


何といっても浅草に江戸の中村座を再現した=写真上=というのがウリの見出しの歌舞伎を午後4時30分から8時30分近くまで見た。▼座った梅席2階2列(ぴあ割引¥9450)は、前列に身を乗り出して観劇するマナー違反の客が多くて、見づらいのが難点だったけれど、眠くなることもなく最後まで見入った。▼だって「世界一低い」と豪語する宙乗りでは、勘九郎が2階席前面の壁にどーんと音を立てながらぶつかってくるなど、迫力満点。ハンドバッグをさらっていったり、客をいじること、いじること。▼その宙乗りには、1階席の小学生の男の子が「気持ち悪〜い」と声を掛ける。そんな小劇場感覚で歌舞伎が楽しめたのが収穫。▼落とし穴を掘る場面では、「70年前の土器を見つけた」なんて、先日の旧石器発掘ねつ造事件を取り入れてくすぐる。▼子どものころ、お気に入りの歌舞伎役者は勘三郎で、それは「法界坊」の劇場中継をテレビで見たから。やっと息子の法界坊が見られたのに感慨を覚えたよ。

2000/11/19 日曜日

●「萩家の三姉妹」(二兎社)@三軒茶屋シアタートラム


18日夜7時から3時間弱、大いに楽しんだ(¥4500)。▼お目当ては、長女鷹子(たーちゃま)役の余貴美子さん。ちょいと熟れた感じの色気がたまらない。他の女優にたとえると、ファラ・フォーセットメジャーズや水野久美というか…(古いねえ)。▼ひたすら舞台の余さんが見たくて、作・演出(劇団二兎社主宰)永井愛さんの脚本や劇に何ら予備知識もなしに観劇したのだが、フェミニズムと恋愛の現実とのギャップをテーマに、次々に上質な笑いを誘う(もっとも、けっこう下ネタで笑わす)、よく出来たコメディーだった。▼この劇の余さんは、女性学を専攻する助教授役なので、法政のT嶋先生を思い出させるような役作りで、ぶっきらぼうなセリフをしゃべる。でも綺麗。▼後半、不倫相手だった本所教授(片岡弘貴)と掛け合いで互いのセックスについて、あからさまに回想するシーンは、抱腹絶倒だった。▼それでいて、萩家の三姉妹が勢ぞろいする幕切れは、感動が電流のように全身に走り、すばらしい余韻を残したのだった。

2000/11/12 日曜日

●小沢昭一ひとり芝居「唐来参和」をみる

芝居よりも歌が唄いたくなったので、これがホントの見納めという見出しの劇を紀伊国屋ホールで午後2時5分から3時40分まで楽しんだ。▼開演から30分以上、今上天皇の物まねまで交えた長い前フリの“漫談"を続けて観客をたっぷり笑わせた後、いつしか吉原細見売りの男に扮し、さらにシンコ細工をつくる老婆(唐来参和の旧妻)に変わってストーリーが本格的に始まる。▼参和について聞きたいと訪ねてきた八丁堀同心を相手に、参和に二度も吉原の遊女に売られた数奇な身の上を説きながら、紙ふぶきの舞う終幕へと一気に盛り上げていく。▼私の座席の後ろには、10代とおぼしき娘が母と並んで腰掛けていたが、閉演後の感想は、「ああ泣いちゃった。昔の人(小沢のこと)はすごいねえ」だって。まだ生きている名優を指して“昔のひと”はないだろう。▼もっとも、私には小沢が、インテリ新劇俳優で人生を過ごせたものを、軌道修正して、ひたすら名も無き庶民に帰っていこうとした男に見えるので、この娘さんの一言に「してやったり」とほくそえむかもしれない。

2000/11/05 日曜日

●湖北省京劇院訪日公演をみる

品川区天王洲、アートスフィアで午後2時から約2時間観劇(A席¥5500)。▼演目は、「劉金定、城門を破る」「活捉三郎―三郎を生け捕る」「孫悟空、羅漢と戦う」の3本。▼大衆演劇をみると、チャンバラあり、歌あり、踊りありで、出演者の芸達者ぶりに驚いてしまうが、京劇もまさにそんな感じ。▼孫悟空役の程和平(国家1級俳優)が修練の賜物とはいえ、如意棒を巧みに操り、投げつけられた武器を受け止めては回転させたりするアクロバット的立ち回りの見事さに、ハラハラ、ドキドキしつつ思わず嘆賞させられる。▼「活捉三郎」は、幽霊となった美女が薄情な昔の恋人・三郎のもとに化けて出て、逃げ惑う三郎の首根っこをつかまえながら、あの世へ連れいくというコントだが、男優がコミカルで笑わされた。▼なるほどこういう延長線にキョンシー映画があったわけだ。

2000/11/03 金曜日

島田歌穂・京晋佑「パ・ド・ドゥ」(俳優座)をみる

六本木・俳優座前の歩道には、12月の地下鉄・都営大江戸線延伸を控えて、出入り口が出現した=写真。▼午後6時から7時45分まで、見出しの観劇(¥4500)。▼弁護士・名塚賢治(京)は、拘置所の接見室で別れた元妻、今はADの日向嘉子(ひなた・かこ、島田)と再会する。殺人未遂容疑で逮捕された元妻から弁護を依頼されたのだ。しぶしぶ引き受け接見を重ねるうちに、真剣に妻と向き合っていなかった過去を思い知らされ、名塚は本気で無罪を勝ち取ろうとする…。▼かつての「ロボコン」の名子役ロビンちゃんの島田は、歌唱力には定評があるが、ストレートプレーも上手い!▼京も軽薄・自己中心を絵に描いたような弁護士像で笑わせながら、最後はきちんと締める。▼「あなたが私を見ている、考えていてくれる。それだけで幸せ」といった科白で、ジコチューの私も身につまされたぞ。

2000/10/29 日曜日

●長塚京三ひとり芝居「侍」をみる

昼は新国立劇場で「欲望という名の電車」をみたというのに、飽きもせず、夜は7時から8時35分まで江東区亀戸文化センター・カメリアホールで見出しを観劇。▼妻と兄妹2人の子どもを日本に残してパリに8年間単身赴任している梅村(長塚)が自分の誕生日を独り寂しく祝うシーンに始まり、一度もフランスへ遊びに来ない家族へ不満を募らせて、ついに帰国を決意し飛行機をハイジャックする…。

▼渡辺美佐子のひとり芝居「化粧」が社会派通俗小説だとすると、これは本格推理という味わいのお芝居。▼最後の謎解き目指して、伏線の張り方をみせる芝居であり、その分、横溝正史の探偵小説のように、人間の描き方にいささか馬鹿ばかしいところがあるといえばある。▼人間が描けていないという不満も残ろうが、本格推理だと思えば、なかなか上手くできたひとり芝居ではなかろうか(この項、大沢在昌対談集『エンパラ』(光文社文庫)収録の「北村薫は冒険小説家である」を参照した)。

2000/10/29 日曜日

●新国立劇場「欲望という名の電車」をみる

40席ある当日券Z席(¥1500)の売り出しが午前10時。すでに26人並んだ30分前から行列し、どうやらゲット。▼芝居は午後1時から4時25分まで(20分休憩あり)。ブランチ(樋口可南子)、スタンレー(内野聖陽)、ステラ(七瀬なつみ)、ミッチ(永島敏行)。▼七瀬が可憐さと図太さを見事に共存させて、その演技に釘付けにされたよ。精神科医と腕組みしてブランチが去っていくラストで、「ブランチ、ブランチ、……」とステラが繰り返し悲痛に呼びかけるシーンでは不覚にも涙ぐんじまった。▼先日サンシャイン劇場でみた栗原小巻さん主演のと比べると、ぐっと“下品さ”に輪をかけた感じで、内野が戯れて実際に七瀬の胸をもんだり、はっとさせるいやらしさが出ていて、樋口さんでは、さほど期待していなかったのに結構良かったぞ。

2000/10/25 水曜日

●村松利史〈ヒトリ〉プロデュース2「齧(かじ)られながら」をみる

下北沢OFF OFFシアターで7時35分から8時45分まで村松の見出しの一人芝居を“楽しんだ”(当日指定席¥3000)。▼いずれも死が絡んだ「山狩り」「再会」「リスがくる」「コブ」の4話と上演後の舞台あいさつ。この“後説”が一番笑わせる。▼といっても、「(チケットが売れていなくて)お楽に見られます」と苦衷を訴えて笑わすのだから深刻だ。たしかに70席の小劇場なのに当日券が楽々買えて、空席も目立った。▼最初の「山狩り」は、ライフルを抱えて凶悪逃亡犯を追い詰めると、なぜか犯人たちは往きつけの店の顔見知りの、つけ麺大王のオヤジ、喫茶スナック「ココハウス」のママ、桃太郎寿司の板前…といった面々で、なぜ凶悪犯なのだと悩むといった不条理劇。▼オレンジ色のシャツの背中が汗で透けてくる熱演でシチュエーションを浮かび上がらせるのはさすがなのだが、どうもめりはりがないのだ。

2000/10/22 日曜日

●帝劇10月公演「鏡花幻想 恋女房すゞという女」をみる


芸者桃太郎(のちの泉鏡花の妻すゞ、浅丘ルリ子)は、尾崎紅葉(江守徹)の反対で鏡花(近藤正臣)との仲をあきらめるが、紅葉の一周忌を機によりを戻すのを許される。すゞは、幻影・幻聴に悩まされる鏡花に尽くすが、無理がたたって病に倒れる。鏡花は祖母や母と同様、すゞも死んで自分のもとを去っていくのではとの強迫観念にとらわれるが、釈迦の母・麻耶夫人の化身となったすゞは優しく鏡花を、たもとに抱くのだった…というのが筋書き。▼江守徹演出。幻想シーンを担う江波杏子さんが「阿修羅城の瞳」と違って、とってつけたような使われ方でもったいない。たしかに「婦系図」のような新派風に徹すれば良かったのだ。幻想シーンも欲張るから麻耶夫人も西大后にしか見えなかった。▼すゞに堕胎を迫る置屋の主人・八重吉役の高畑淳子さんが上手い。「レティスとラベッジ」(11.16−12.10ルテアトル銀座)での黒柳徹子の相手役をどう演じるか楽しみになった。▼松井誠の女形ぶりも見られたから、いいか。

2000/10/20 金曜日

●シアターコクーン「VOYAGE 船上の謝肉祭」をみる

外は豪雨。▼でも「♪パーパパパ、パパパパ…」って、笹野高史さんらの上演後の楕円形の舞台下、オケピでの演奏がいまも耳に響いているよ。▼不条理劇を見て、いささか消化不良のお客を癒すため、自由劇場「上海バンスキング」の舞台を思い出させる趣向だったか?▼このお芝居、毀誉褒貶が激しく、「外れだったらどうしよう」と見る前からドキドキものだった。だってコクーンは高いからな(S席¥8000)。▼オムニバスのうち、賢い娘(松たか子)と7人の兄弟がサンゴ礁の島の中に住み着いた大食らいの大魚を退治しようと、ヤシ酒などを振る舞って近づき弱点を知ろうとする…という話がちょっとリリックで良かったかな。▼ま、採りたて新鮮な食材を使えば、シェフが一流じゃなくても、美味しさで魅了されるのだ。近ごろの劇は、シェフ(演出家)ばかりに興味が偏り過ぎだ。新鮮な松の魅力を堪能できただけで満足しなきゃ。▼しかし、ことしの幸四郎一家は、このおれさまから一体いくらの観劇料をせしめれば気が済むのか。

2000/10/15 日曜日

●TBS「アッコにおまかせ!」番組観覧ルポ

和田アキ子、峰竜太出演。毎週日曜日午前11時45分から午後1時まで生放送の見出しの番組を見に行った。もちろん自宅から自転車で。▼3日前、「来れますか?」とスタッフから電話があって、ファクスで招待状が。▼2週間前にハガキを応募、その後返事がないので、やきもきしていた。どうやら辞退者があって「繰り上げ合格」となったらしい。▼午前11時、赤坂TBS別館控え室集合で、11時10分に放送センター4階Aスタジオへ移動開始。でもなかなかスタジオ内へ入れてくれなくて、20分ほど、廊下で立ちん坊。▼10分前にやっとひな壇の観覧席の最上段(5段目)に座って、アシスタントの女性お笑いタレントから拍手やリアクションの仕方の指導を受けた。いわゆる前説。▼カメラ持込可。フラッシュ禁止。▼ゲストはボクシングライト級世界王者、畑山隆徳。長嶋一茂ら。▼家内はしきりと「アッコって脚が細いわあ」と感心し、峰のくすぐりに大笑いと、すっかり雰囲気に溶け込んでいる。「お前、順応しやすいんだよ!」▼帰りは、番組特製ストラップをもらった。でも携帯電話持っていないんだな。

2000/10/15 日曜日

●ユーゴザーパド劇場来日公演「ロミオとジュリエット」をみる

ロミオの役者(ゲオルギー・ドゥローノフ)がちょっと見がプーチン大統領。「やっぱりスラブ人のロシア演劇だなあ」なんて、のんびりと見始めたのが大間違い。闇の中に10のアーチの門が浮かんでいるだけのシンプルな舞台ながら、たちまち約2時間半が過ぎ去った(14日午後6時30分開演)。▼場所は、「アートスフィア」(東京・東品川天王洲アイル、S席6,500、うれしいことにチケットプレゼントに当選)。▼元来、モスクワのはずれの倉庫を根城に活動をはじめた「闇と光とロック」のセミプロ劇団だったそうだが、それぞれモンタギュー家が黒、キャプレット家が赤の衣装をまとった俳優らが観客の想像力を刺激し、ぐいぐい惹きつける。▼ロシア語で演じる中に、時折、「痛い!」なんて日本語の科白を織り交ぜて観客を和ませていたのは事実だが、私には駄洒落、地口、語呂合わせオンパレードにしか見えない日本の小劇場とは大違いで、確かな演技技術に支えられた、文字通りのストレートプレイだった。ただ「笑わせればいい」じゃないんだよ。

2000/10/09 月曜日

●10月国立劇場歌舞伎公演「小栗判官譚」をみる

いやはや、くたびれた。▼雷の鳴る悪天の正午から雨のあがった午後4時40分過ぎまで、途中、計50分間の休憩をはさみつつ見出しの芝居をみた(おぐりはんがんものがたり、3等席1500円)。▼東京では111年ぶりという通し上演。▼猿之助のような宙乗りこそないが、素早い舞台転換の仕掛けをみせることを含めて、見所多し(それ以外は、居眠りしてしまった場面も多いが、まあ、そういう見方が許されるのも歌舞伎のいいところ)。▼出演は、盗賊風間八郎ら三役に、いまや御内儀が大臣の中村鴈次郎、小栗判官(中村時蔵)、細川政元(中村富十郎)など。▼かつて仁左衛門の“愚兄”呼ばわりされた片岡秀太郎が作り阿呆の横山太郎と浪七女房お藤の二役を演じて、いい味を出していた。高田美和さんを思い出したよ。一時はドサ回りの時代もあったように記憶しているが…。▼秀太郎の息子、愛之助も照手姫をきれいに演じてよかったぞ。

2000/10/08 日曜日

●栗原小巻「欲望という名の電車」をみる


午後2時からサンシャイン劇場でみた(A席6000円)。▼30年ほど前は熱烈な小巻ファンを称してコマキストといった。▼そのころ小学生だった私は、小巻さんが竹脇無我とともに主演した木下恵介アワー「三人家族」(1968年TBSテレビドラマ、山田太一脚本)を今も忘れられない(細かい筋は思い出せないが、あおい輝彦が歌った主題歌の一節は覚えている)。▼鼻の形なんか決して良くないと思うけれど、まことに気品ある美しさでした。▼そんな気品ある輝きをかつて持っていた女優こそ、今との落差を感じさせ、この作品を演じるにふさわしい。ビビアン・リーしかり、そして小巻さんも。最初から崩れた感じだった女優じゃだめだ。新国立劇場で20日から始まる樋口可南子さんのブランチはいかに?▼小巻さん、劇の初めは、もっともっとブランチを上品に演じてもいいのにと感じた。さすがに新劇で鍛えられたせりふ術はすごいなあ。▼でも新劇の観客は、いかにも国立あたりに住んでますといった雰囲気の人がめだつ。もっと幅広い層に見て欲しいね。

2000/10/07 土曜日

●「ビッグ・レディース・クラブ」をみる

午後6時30分からグリーンホール相模大野(神奈川県相模原市)で、森公美子・斉藤こず恵・カワイ麻弓のダイナミック(デブ)なトリオ出演の見出しミュージカルショーを楽しんだ(A席5000円)。▼観劇前に、隣接する伊勢丹相模原店内のグリル満天星で、オムレツライスを食べたが、赤坂店なら1800円なのが1100円で、これはお値打ち。▼“都落ち”した甲斐があったな。▼しょっぱな、森さんは伊勢丹の手提げ袋を持って舞台に登場、早速、地元の観客をくすぐる。足が太すぎて組めないなど、デブ特有の悩みを取り上げて、次々と笑わせる。▼元芸能人のモコ(森)は、幼なじみのぺコ(斉藤)を誘って、昔の夢よ、もう一度と女性コーラスグループ・コンテスト出場をめざすが、規定は「3人以上」。そこでラーメンを出前に来た若いデコ(カワイ)に目をつけて…という筋書きを懐かしの70〜80年代ヒット曲でつづる。▼森さんの歌唱力は文句なしだけれど、NHKの朝の連ドラ「鳩子の海」で5歳の子役だった斉藤さんのパンチの効いた歌声には感心させられた。

2000/10/01 日曜日

●芸術座9・10月公演「雪まろげ」をみる

10月1日午前11時30分から午後2時20分まで、途中25分間の休憩をはさみつつ、見出しの東宝現代劇をみた。▼青森・浅虫温泉の夢子(森光子)は、口八丁、手八丁の座持ちのいい芸者。次から次に嘘をついて客の話に調子を合わせ、気をそらさない。▼ところが、「嘘から出た実」で、来日した中国要人(米倉斉加年)を巻き込んだ騒動が起きる…というこの喜劇には大いに笑わされた。▼文化功労者、名誉都民、芸術選奨文部大臣賞など、数々の栄誉に浴した御年80歳の大女優、森さんが変わらぬ張りのある台詞回しと歌声を聞かせてくれる(若いころ歌手もしていたというから歌がお好きなんだな)。▼役柄では38歳の芸者らしいが、田中健さんとの淡いラブシーンも。そういえばかつて何かの催しでゲストの健さんのケーナの演奏を聞いたな。すっかりふっくらとして、再婚してからお幸せそうだ。▼初舞台という山田まりやが夢子の妹芸者として狂言回しを演じたが、はつらつと上手なので驚いた。けっこういい根性しているね。ただの巨乳じゃなかったんだ。

2000/09/24 日曜日

●日生劇場「栄屋異聞影伝来 夢の仲蔵」をみる


江戸時代の市村座を舞台に、晩年の初代・中村仲蔵(松本幸四郎)と売出し中の5代目・市川団十郎(市川染五郎)がそれぞれ苦悩し葛藤しながら、叩き上げの「写実の芸」と、天賦の「芸の華」とを競い合うとの筋書き(荒俣宏・作)。▼劇中劇で「忠臣蔵(五段目)」「道成寺」などが演じられると聞いていたので、てっきり「ラ・マンチャの男」のような複雑な重層構造の劇で、理想を追い続けることがテーマなのだと勘違いしていた。▼でも、ちょっと違ったなあ。▼私の座った2階席では、幸四郎へ「栄屋!」、染めチャンへ「成田屋!」「五代目!」という掛け声が次々に掛けられて、お二人の至芸を拝見するには歌舞伎座の3階席に座ったのと同じ気分で、とっても良かった。▼でも、どうも親子リサイタルといった趣きで、劇のテーマが必ずしも観客に伝わったかどうかは疑問だ。▼ま、ラマンチャの男だって初演は入りが悪かったというので、ここでくさして芽を摘むような真似はしないで、次の新世紀歌舞伎を期待したい。

2000/09/20 水曜日

●帝劇9月公演「売らいでか! 亭主売ります」をみる

座長・浜木綿子の見出しの喜劇(花登筐脚本)をみた(19日昼)。▼下ネタも入った艶笑喜劇。夫役の左とん平はともかく、浜すら、ちょっといらやらしい腰つきを演じたりするので、謹厳な方にはお勧めできないかも。▼昭和30年代初めの伊賀上野が舞台。姑(菅井きん)のいびりに耐え、組みひもの内職で貧乏暮らしを支えてきた山内なつ枝(浜)は、夫の不貞を知り、強い女へ変身。夫の浮気相手の素封家未亡人(光本幸子)へ50万円で夫を売り、それを元手に組みひもの工場を建てて女性社長へとのし上がる…。▼浜と菅井の嫁・姑の掛け合いはもちろん、とん平が抜群の間の取り方で大いに笑わせる。▼ちょっとやぶにらみ気味に不機嫌そうな表情でとん平は登場するのに、ちょっとした体の動きで観客を笑わせるから芸というのは、たいしたもの。演じている浜や光本も吹き出してしまうほど。校長役の梅津栄もよし(例のIBMのCMで「e−コマースだ!」と叫ぶ人)。▼とん平が舞台で咳き込むと、すかさず「あんたあ〜、だいじょうぶ?」と浜がアドリブでせりふを入れる。そんな和気藹々と肩のこらない喜劇だった。

2000/09/17 日曜日

●鹿賀丈史「マクベス」をみる(新国立劇場中劇場)

開演は、午後1時ながら、当日券(2階Z席40枚限り)の発売は午前10時。発売20分前に並んでZ席1500円を1枚ゲット。▼鹿賀に加えて、高橋恵子・荻野目慶子・すまけいら芸達者をそろえてS席でも6300円だから、さすがに税金で建てた劇場はお値打ちだ。▼京王新線・笹塚駅前の劇場へは、西麻布から自転車で。きょうの東京は大気の不安定が続いて、激しく雷雨が降ったり、蒸し暑くなったりと、目まぐるしい。幸いずぶ濡れになるのは免れた。▼余談はこれくらいにして、さてお芝居の方はというと…。鐘下辰男氏のモダンで斬新な演出は、分かるのだが、どうもわたくしには平板なのである。あっと驚かされたのは、マクベス婦人が赤子を床に叩き落すシーンだけ(そういえば、最近、社宅の隣人に嫉妬して奥さんが隣の赤ちゃんを床に叩き付けた事件があったな)。▼私の隣には、お行儀の悪い若者が座ったのだが、こいつも途中でいびきをかいて寝入ってしまった。▼鹿賀にとって12年ぶりのストレートプレーだというのだが、ちょっとねえ…。

2000/08/22 火曜日

●鈴木あみ21日武道館コンサート

日ごろほったらかしの罪滅ぼしに買い与えたチケットで次男と長女が、見出しのコンサートへ出かけた。▼息子によると、「ホワイトキー」を歌ったとき、雪が降るかのような照明の演出に、一瞬、暑さを忘れて、目がくぎづけになったとのこと。▼武道館前のテントの売リ場で手に入れた、あみグッズは次のとおり。パンフレット¥2000、うちわ¥500、生写真4枚入り¥500×2袋、ビニールバッグ¥500。サイリウム¥300、Tシャツ(妹用)¥3000。▼おまえたち、ちょっと買い過ぎだぞ!

2000/08/20 日曜日

●戦慄が走った「阿修羅城の瞳」(新橋演舞場)

市川染五郎、富田靖子に脇を固めるは、江波杏子・加納幸和・平田満・渡辺いっけいら芸達者ぞろいのこのお芝居。▼豪華プログラム(写真集・うちわ付き)が¥2800で、「なんだよ、こんなにボルのか!」。▼ところが見終わると、売店へ直行、手にしっかりと、プログラムのみならず、オリジナルTシャツ(¥2500)、脚本(¥1890)までが握り締められていたのだった。▼和服にスニーカーを履いて踊り歌うスニーカー歌舞伎かと甘くみていたのが大間違い。▼見終わると体中を戦慄が走り、興奮冷めやらず、拍手をし過ぎて掌が痛い。▼現在、安倍晴明がブームといわれているが、晴明13代目の子孫とその一門が江戸で阿修羅・鬼と対決するというお芝居の再演はタイムリー。▼ないものねだりをすると、もう少し染五郎と靖子の声が良かったら…。

2000/08/18 金曜日

うの、文夫……著名人目撃情報

そうそう、↓の歌舞伎座観劇の幕間(まくあい)で、売店を見て歩くタレント、神田うのを発見したのを記録しておこう。▼いや、ビデオカメラを肩に載せたカメラマンがずっと姿を追っていたから、なにかの番組の収録かもね。▼それとトイレでは、放送作家、高田文夫に出会った。▼そうそう、かつて坂東八十助が出演しているときは、劇場玄関口で、ごひいき客にあいさつする元フジTVアナ、近藤サトを目撃するチャンスがあったのだが、いまとなってはねえ…。▼来年、美津五郎襲名を控えているというのに、八十助もバカだよ。

2000/08/17 木曜日

歌舞伎座8月第二部公演「愚図六」を楽しむ

水谷龍二が中村勘九郎のユーモラスな持ち味に、あて書きした新作歌舞伎「愚図六」をみた。▼ころは幕末。侠客をめざす六蔵(勘九郎)はグズなので、名前と合わせて愚図六とあだ名されていた。▼やがて故郷で、小さなばくち打ちの一家を構え、息子信吉(七之助)を幼なじみの博徒・綱太郎(八十助)のもとへ修行に出す。▼息子からの手紙で、出入り(抗争)に巻き込まれているのを察した六蔵は駆け付けて、見事、息子の危機を救う。▼ところが相手方が放った銃弾に倒れて…といった筋書き。▼勘三郎が「法界坊」をユーモラスに演じていたのを当時、子どもだった私は、いまだに忘れられないが、体形、顔つきばかりか、あのユーモラスさまで、本当に息子の勘九郎は似てきたなあと、あらためて驚かされた。▼そこへいくと、孫にあたる七之助は、すらりとしていて、「紅葉狩」では、きれいな女形(腰元野菊役)になって見事な踊りを見せたが、スマートな体形が災いして、ちょっと新体操のダンスをみているような気がした。ないものねだりだが、すらりとしているのも歌舞伎では良し悪し。

2000/08/03 木曜日

新橋演舞場8月新派公演「頭痛肩こり樋口一葉」をみる

ラストは、明治31年のお盆7月16日。姉夏子=一葉(波乃久里子)、母多喜(英太郎)ら樋口家に集った人々は全員亡くなり、盆に帰ってきた幽霊たちとして見守る中、一人この世に残された妹邦子(紅貴代)は、引っ越しのため、重い仏壇を背負子に担いで花道へ消えていく。▼それまで、狂言回しに登場する幽霊・花蛍(新橋耐子)のいささか怪演ともいえるコミカルな動きをはじめ、水谷八重子、長谷川稀世ら女優(女形)陣の達者な芸に笑わされていたのが、幕切れで一転、しんみりと涙ぐまされる。▼明治23年から31年まで、つねに盆の16日をつむいで、樋口家を巡る人たちの年ごとの人生の転変を描く。お盆ならば、生者も死者も集うのは不自然ではない。盆を舞台とした井上ひさしの着想に脱帽させられる。▼もっとも、お盆休みが単なる夏休みとしての意味しかなくなってきた昨今、この着想にも気づかない人たちが増えていくのだろうか。▼♪ぼんぼん盆の十六日は地獄のふたがあく…。繰り返し流れるわらべ歌が耳に残った。

2000/08/01 火曜日

下北沢で二人芝居「花」をみる

「最前列で見ましたぞ、ニ女優のセリフと歌の競演を」。▼今日は、下北沢の小劇場ザ・スズナリで、吉田日出子、渡辺えり子の二人芝居「花」を楽しんだ(午後4時の部)。▼二人は、目玉が飛び出したように見える、茶こしがレンズ代わりの眼鏡に、ちょびひげという珍妙な軍装姿で登場する。閉鎖された劇場との設定。▼吉田「あなたはだれ? デブ? ぶうぶう言ってばかりいるブーだ」、渡辺「あなたはだれ? ちび? びいびい言ってばかりいるビーだ」。そんなパラレルな掛け合いから、この不条理な“喜劇”がスタート。▼二人は、あるときは閉鎖され、受け取り手のいない劇場へ花を届けにきた花屋の店員、あるときは居残った劇団員というパラレルな関係を入れ替わり演じながら、劇場の再生を願って芝居は終わる。▼お二人の歌もすばらしく、芸風の違いも興味深い。私にとって、ずっと吉田は浮遊感を漂わす、つかみどころのない女優という認識だったのだが、セリフや芝居のうまさで、渡辺の迫力を圧倒する。さすがだなあと再認識させられた、ぜいたくな小空間だった。

2000/07/23 日曜日

猿之助7月大歌舞伎・昼の部をみる

恒例、いや吉例となった市川猿之助丈の歌舞伎座7月奮闘公演。ことしは連続公演30周年の節目、しかも曽祖父・祖父と猿之助の名跡を絶えることなく引き継いで130年目にもあたるという。▼昼の部では、猿之助丈が好きだという「翔」「夢」などの大きな一文字の筆文字を背にして(哲学者・梅原猛筆)、猿之助丈が次のようなお礼の口上を述べる。「これから演じる黒塚、義経千本桜では体力・気力の限界に挑みまするので、お客様も30倍、いや130倍のご声援をたまわりまするように」と。▼30年前は、“奮闘”公演というよりは、歌舞伎界の異端児として“孤軍奮闘”公演というべきだったのだろうが、「義経千本桜・川連法眼館の場」の早変わり、宙乗りは何度みても胸がすく(もっとも千本桜を生の舞台でみるのは、私にとって昭和55年の通し上演以来の久しぶり。そのとき義経役は、最晩年の先代鴈次郎だった)。▼今日の東京は、本当に暑かった。冷房が効いているはずなのに、座席でも蒸し暑く感じられたほど。でもそんな猛暑の夏枯れを吹き飛ばしてきた猿之助丈の心意気や良し。

2000/07/16 日曜日

有楽町芸術座7・8月公演「戒老録」をみる

淡島千景、山田五十鈴両大女優共演の舞台。とはいえ、観客の第一のお目当ては、ベルさん(五十鈴)だろう。▼御年80歳をとうに過ぎた彼女の元気な舞台を見られるのは、いつまでか(まことに失礼!)。それなのに、劇場では私ら夫婦(40歳台)が最も若い世代。▼ぜひ若い人たちに、山田五十鈴を生で見て欲しい。▼わたくしなんぞは、先代水谷八重子や杉村春子が健在のうちに、生の舞台を見ておけばよかったと、この歳になって大変悔やんでいるのだから…。▼さて劇の方は、肩のこらない、どうというほどのこともない喜劇。でも、十分満足させられる。▼まず、ベルさんの圧倒的な存在感。最初、派手派手しい洋装のモダンなおばあちゃん役で登場すると、おしゃべりが聞こえていた場内の空気は一変する。▼そして舞台の最後には、お得意の三味線と唄を聞かせる(「たぬき」を思い出すね)。それに合わせて舞うは千景。▼たしかな芸の裏付けあっての存在感。繰り返すが、ぜひ若い人に舞台をライブで見て欲しいね。

2000/06/26 月曜日

新橋演舞場6月公演「ミツコ―ウイーンの伯爵夫人」を見る

演劇界は、“ハプスブルク家の6月”。▼残念ながら一路真輝の「エリザベート」(帝劇)や宝塚宙組「うたかたの恋」は未見だが、25日は、大地真央主演の見出しの劇を楽しんだ。▼明治時代、オーストリア外交官のクーデンホーフ伯と結婚した青山光子の数奇な半生を描いた作品だが、14歳年上の女優との恋を許さずに追い出した次男リヒャルトとの和解のシーンでは、真央さんは涙を流す熱演。もっとも「あれって、水よね」と話し合う母娘の観客もいたが…。▼ミツコという名前が私の記憶に刻まれたのは、吉永小百合主演のNHKドラマ「ミツコ・二つの世紀末」(1987)を見てから。観劇しながら、そのドラマのシーンもよみがえってきた。▼終演後、劇場入り口前には、60人くらいの女性が並んだ。みんな地下駐車場から真央さんらの車が出てくるのを待っているのだ。▼でも今日はパーティーがあるとかで、なかなか現れない。折から梅雨空がぶり返して霧雨が降り始め、肌寒いというのに、じっと待っている。真央さんは幸せだ。

2000/05/28 日曜日

21世紀の石原には成れず

きのう息子あてに石原プロから書面が届いた。残念ながら二次選考の通過ならず。▼母親はがっかり。ステージママでも夢見ていたのかしら? ▼以下、一応、記録しておこう。▼一次選考(書類審査)の結果。応募総数52,005人の中から659人が通過。▼一次選考通過者のプロフィールは、次のとおり。▼平均身長178.0cm。平均年齢20.8歳。推薦者の男女比4:6(男:女)。1次書類選考通過者数県別ランキング=1位東京都(166人)。2位神奈川県(58人)。3位大阪府(45人)。

2000/05/21 日曜日

「間近で渡哲也、見ちゃった!」

午後6時過ぎ、高校生の息子が見出しのように叫んで、ご満悦でご帰宅だ。▼今日は午後3時から赤坂のホテルで、「21世紀の石原裕次郎を探せ!」オーディションの2次選考があり、愚息は受験したのだ。▼今回は、「90%の実力を発揮できた」とのこと。本当かいな?▼まず写真撮影、次いで「石原裕次郎への手紙」との出題の作文を書き終えて、集団面接があったらしい。面接のとき、一言も質問は発しなかったが、渡御大が中央に控えていたそうだ。▼結果は、あすにも、通過者には直接電話で、不合格者には書面で通知される。▼息子は、「落ちたら、アナウンサーをめざして渡に再会します」と脳天気なことを言っているが……。

2000/05/21 日曜日

帝劇5月公演「ビギン・ザ・ビギン」を楽しむ

今日は、正午から皇居前・帝劇で、見出しの芝居を楽しんだ。▼主演森光子は数寄屋橋・日劇に出没するゴースト柳川かすみ役。とても今月80歳(!)の誕生日を迎えた方とは見えない。歌声には張りがあり、身のこなしも軽やか。▼かすみは、空襲のため日劇屋上で亡くなったのだが、戦後まもなくレビューを再開した日劇に幽霊となって現れ、踊り子らを驚かす。▼劇は、GSブームなど、昭和56年の日劇取り壊しまでの歩みをたどりつつ、なぜ、かすみはこの世に思いを残して幽霊となってしまったのか、謎解きをしていく。▼親父Kは、日劇で1回だけレビューを見たことがある。たしか昭和52年ころ、日劇が集客不振を跳ね返そうとフランスのレビューを招いて公演したときだった。シャンソンの高英男さんも出演していた。▼そんな懐かしさにも浸れる舞台だった。

2000/05/14 日曜日

「21世紀の石原裕次郎を探せ!」オーディション1次通過

高校生の息子へ速達が届いたと思ったら、「貴殿は、オロナミンC「一億人の心をつかむ男」新人発掘オーディションにおいて、1次選考に通過されたことをお知らせ致します……渡哲也」との1次選考通過通知書が入っていた。▼2次選考は下旬、都内のホテルで。面接・作文・カメラテストがあるらしい。▼5万人強の応募者の中から、愚息は、とりあえず全国700〜800人の1人に残ったみたい。▼これから親として、「推薦書」「保護者同意書」に署名捺印しろ、と息子に強要されるのが憂鬱だ。▼ホリプロの深田恭子の映画の相手役募集オーディションでも2次で落ちたのに、まったく息子も懲りないやつだ。どうせ今度もすごすごと選考会場から帰ってくるに決まっている。参加交通費がほとんどかからないのだけが親孝行だ。▼中間テストも近いというのに、勉強にも手が着かず全く困るよ。▼たしか応募条件の一つには、「知性」というのがあったと思うのだが……。

◆参考⇒http://www.star-21.com/

2000/05/07 日曜日

日生劇場「ラ・マンチャの男」を楽しむ

7日、午後1時から約2時間強、日生劇場で、松本幸四郎主演、♪夢はみのりがたく〜(見果てぬ夢)のナンバーで知られる見出しのミュージカルを見た(C席¥3000)。▼1970年、幸四郎が世界中のドンキホーテ役者の1人として招かれ、ブロードウェー、マーチンベック劇場で10週間の公演をしてから、今年が30周年。▼娘の松本紀保がアントニア役で共演しているが、祖父、白鸚がキホーテにちなんで紀保と名づけたとはねえ…。▼こちとらは、とっくに人生の理想を放棄した身だが、「本当の狂気とは、あるべき姿のために戦わないことだ!」という科白には、さすがにぐっとさせられる。▼舞台から遠い席だが、単眼鏡で目をこらすと、幸四郎は三白眼になって、狂気を巧みに演じる。▼あばずれ女アルドンサ(ドルシネア姫)役の鳳蘭も柄に似合っている。胸にはみ出した、たわわな二つのメロンの大きさもすごいぞ!▼花束お断りというのに、カーテンコールで男性がブーケを差し出したが、幸四郎はさっと受け取って、ピンクの一輪を鳳に与え、鳳はドレスの胸に挿した。▼そんなところも印象的だった。

2000/05/05 金曜日

妻子は佐藤浩市ロケを目撃

午後4時過ぎ、青山・骨董通りでロケをする佐藤浩市を妻子が目撃したという。おそらく「天気予報の恋人」(フジTV、月・後9:00〜)のロケ。▼妻は、「あたしの方へ佐藤浩市がつかつかと歩み寄ってきたのよ。すぐ目と鼻の先まで…」といささか興奮気味。▼いや、妻に近寄ってきたのではない。状況を聞くと、どうやら横断歩道を渡ってくるシーンを撮影していたようなのだ。だからカメラの方へ近づいてきただけなのだ。▼「さすがゴルフ好きとあって、結構、日焼けした黒い顔をしているのよね」と妻の自慢が続く。▼こっちも負けずに、今日は六本木交差点で、作家・志茂田景樹を目撃したと言ってやった。▼佐藤さんは、ばりっとしたスーツ姿、志茂田氏は例の原色あふれるレオタード姿という大いなる違いはあったが…。

参考⇒http://www.fujitv.co.jp/jp/tenkoi/index2.html

2000/05/05 金曜日

作家・志茂田景樹さんを目撃

端午の節句の六本木は、いつもなら金曜ナイトで混み合うところだが、せっかく開店したレストラン、居酒屋もお茶ひき状態。▼そんな六本木交差点で、午後5時40分ころ、志茂田さんとすれ違った。▼髪型は、おなじみの金やら緑色の混じったもじゃもじゃ頭。服装は、体にぴったりと張り付いた緑色のレオタードというか、派手な競輪選手とでも評したくなる例の格好。▼横に奥様とお見受けする中年女性が寄り添っていたが、こちらは年齢相応の白と黒が基調のブラウスとスカートのオーソドックスな“おばさま”スタイル。▼夫婦で、ちぐはぐと言いたいところだが、他人に無関心な都会の中で、志茂田氏の摩訶不思議なファッションは、すでに認知度抜群だからまったく問題はない。▼ちょっと、オスの方が派手なクジャクやオシドリのつがいを思い出しただけだ。

2000/04/29 土曜日

堂本光一くんの撮影を目撃

4月28日朝8時過ぎ、小田急多摩線「唐木田駅」(東京都多摩市)近くのオープンカフェ「カフェ・ド・スール」で、近畿子供(Kinki Kids)の一員、堂本光一さんの撮影現場に出くわした。▼近所の私立大妻多摩中高のセーラー服の生徒が集団で何かに見入っているので、「はて何事?」と近寄ってみたら、店の前の狭い歩道に光一くんがすっくと立っていた。▼顔が小さいためか、意外に小柄に見えた。女子高生に見られて、いささか照れくさそうな表情に見える。▼鼻持ちならない言い方だが、親父Kが住む港区だったら、有名芸能人とすれ違ったり、ロケに出くわすのは日常茶飯事。でも“田舎”勤務に左遷されて、もう有名人に出会うこともなかろうと落胆してたので、こんな所で光一くんを目撃できたのが意外で、しかもうれしかった。

◆カフェドスール⇒http://www.tnt.ne.jp/map/b0731000.html

2000/04/16 日曜日

新宿コマ4月「瀬川瑛子陽春公演」を楽しむ

見出し公演・夜の部へ。午後4時から7時50分までB席(5000円税込み)で、たっぷり笑った。▼コロッケが友情参加とあって食指が動いたのだ。▼むしろボケが瀬川、ツッコミがコロッケの二人座長制というべきか。▼第1部が劇中劇の体裁を取った「お染久松」1幕8場(滝大作脚本・演出)。▼大正時代、大衆演劇の座長・瀬川英花(瀬川瑛子)は、座員の市村転毛(コロッケ)を相手役に、悲恋物語「お染久松」を洋楽仕立てで演じて、浅草オベラの人気に対抗することに…という筋書き。▼コロッケは、下あごを突き出して顔を伸ばす例の表情だけで、登場早々、場内を爆笑の渦に巻き込む。▼体も良く動くこと、動くこと! エノケンの再来といったところか。▼共演者には、私にとって懐かしい小島慶四郎が。小島は白塗りで登場。松竹新喜劇では、藤山寛美を相手に小島が白塗りの殿様役で登場すると爆笑だったのに、観客の笑いの少なさが残念。▼第2部歌謡ショーでも、30分間くらいはコロッケのものまねが楽しめる。ロボコップの動きを真似た五木ロボットに笑わされるのは必至。

2000/03/22 水曜日

有楽町・芸術座3、4月公演「三婆」を観劇

代休を利用して見出しの劇の昼の部を楽しんだ。▼有吉佐和子原作、小幡欣治脚本・演出。▼本妻(池内淳子)、二号(渡辺美佐子)、小姑(曾我廼家鶴蝶)の三婆(さんばば)に番頭(いかりや長介)が絡んで、老人4人のどたばたから老いを考えさせる。▼1・2幕は、「もっと笑わせてくれてもいいのに」と不満を覚えるが、最後の3幕20分間に観客の笑いを凝集するための仕掛けと後で気づかされる。▼3幕で80歳前後とおぼしき4人の老いの無残さ、こっけいさ。とりわけ渡辺のぼけぶり、いかりやのよたよた歩きは抱腹絶倒。▼観客の意識は、「私はあんな年寄りじゃない」と見下す“差別感”だろう。▼でも、休憩時間に行列を待ちきれずに男子トイレに入ってきたおばあちゃんの姿は、女優たちより年老いて見える。▼かくいう私も20年もしたら……。

2000/03/17 金曜日

大林素子さんを目撃

16日午後10時25分、西麻布交差点、三和銀行キャッシュコーナーのある北西角から渋谷方向へ六本木通り沿いの歩道を歩いてくるスポーツキャスター・大林素子さんを発見。▼グレーのコートを着て、きょろきょろと何かを探していた。

2000/03/16 木曜日

佐藤浩市・原田美枝子ロケ目撃

15日午後10時過ぎ、表参道の洋菓子喫茶「ヨック・モック」(Yoku Moku、港区南青山5丁目)前の歩道に人だかりが出来ていると思ったら、店の奥で佐藤浩市と原田美枝子がお茶するシーンを撮影していた。▼フジテレビ「天気予報の恋人」〔4月10日(月)午後9時スタート〕の撮影らしい。▼すぐに家族を電話で呼び出して、一家で見物することに。▼佐藤はリゲインのCMさながらのスーツ姿、原田は紫のロングドレスに白のケープを肩に羽織っている。原田の髪は茶髪のショートで、体はほっそりと、小柄だった(親父Kが若かりしころ、原田は豊かな胸の裸身を映画で披露していたものだ)。▼佐藤は、本番を撮り終えると、さっと立ち上がって、鼻をかんでいた(花粉症?)。▼ところで、車道には、撮影スタッフのトラックなどと並んで、佐藤のものと思われる品川ナンバーのベンツE55・AMGが停まっていたのだが、警官が黄色の駐車違反の札をドアノブに取り付けていってしまった(違法駐車はいかんよ!)。▼見張りのADは、叱られ、運転手は「弱ったなあ」と言っていたのを聞き逃さなかったのはいうまでもない。

2000/03/12 日曜日

皇居前・帝劇「ローマの休日」観劇へ

今日は、午後零時10分から3時間、見出しの東宝ミュージカルを楽しんだ。▼アン王女(大地真央)、新聞記者ジョー(山口祐一郎)。一新した歌詞は、あのモルモン教女優・斉藤由貴(!)で、ワキは太川陽介、南風洋子、近藤洋介が固める。▼太川は1月帝劇「細雪」で四女・妙子にふられる啓ぼん役を巧みに演じたが、今回は王女の髪をショートにカットする美容師マリオ役。もともと「Lui Lui」の歌手なので、コミカルな動きで歌って踊り、生き生きと演じた。▼でも、やはり観客のお目当ては、大地。王女の気品、可憐・コケティッシュさをそのお歳も感じさせずに演じる。▼スクーターで街を巡るシーンでは、クレーンで持ち上げ、客席へせり出して、猿之助の宙乗り状態。観客は、もちろん大喜び。▼いつもはどうか知らないが、カーテンコールには3回こたえ、最後は投げキッスのサービスと、さすが宝塚仕込みで女性客の心をつかむのがうまい。▼記者会見の場で王女とジョーが再会するシーンでは、舞台から遠い2階席の奥(¥4000)で見ていても泣かされちまった。

◆参照⇒http://www.toho.co.jp/stage/roman/

2000/03/06 月曜日

ヨイショの上手いやつは出世する

5日に橘家円蔵の落語を聞いて、ちょいと耳に残った枕話を書くと(ネタばらしみたいでご免なさい)――。▼高齢で亡くなった稲荷町の林家彦六(林家正蔵)は、楽屋ではいつもぶすっと本を読んでいるような人だったが、大の共産党びいき。同党副委員長で東京から衆議院に立候補の金子満広を応援していた。▼でも金子はあえなく落選、彦六を訪ねて詫びたところ、彦六は、パッと下座へ降りて、「おかげさまで、あと4年生きる義務ができました」と言い放って、金子を感激させたという。▼円蔵は、名人・桂文楽ら付き合った師匠連はけっこう二重人格だったとし、でも当意即妙にお世辞(ヨイショ)できる人ほど出世している例として彦六を持ち出して笑わしたのだが、親父Kも真似するかね。

◆金子満広⇒http://jcp.cab.infoweb.ne.jp/Giin/KOKKAIGIIN/SYUGIIN/KANEKO/index.html

2000/03/06 月曜日

橘家円蔵一門会を聞く

5日は午後6時30分から約2時間、砂町文化センター(江東区北砂5-1-7)で、見出しの落語を楽しんだ。▼高座を務めたのは、出演順で、橘家仲蔵、柳家さん枝(この人は小さん門下)、橘家富蔵、そしてトリが円蔵。▼途中、太鼓・三味線など鳴り物の説明があったのが文化センターの催事らしいところ。▼「月の家円鏡です。よいしょっと!」というフレーズが今も耳にこびりついているように、円蔵師匠は、昭和57年の襲名前の芸名、円鏡の方がなじみ深い。▼当時は、ラジオ・TV・CM(エバラ焼肉のたれ)の売れっ子で、林家三平タイプの爆笑派だった。▼おなじみ「火焔太鼓」に入るまで、約40分間の持ち時間の半分以上は噺の枕にあて、「このセンターへ(立川)談志を呼んじゃダメですよ。だってあの人(会場へ)来ないんだから」といったギャグを次から次へと早口でまくし立て、会場を爆笑の渦へと誘う。▼前売り¥1900で大満足。

◆砂町文化センター⇒http://www.koto-cabletv.co.jp/~koto-ku/shogai/shisetsu/sisetsu/suna_cul.htm

2000/02/29 火曜日

●(番外)深田恭子の相手役決定

新聞によると、応募者1万7404人の中から高校2年生、内田朝陽くん(17)が深田恭子の相手役に選ばれたという。森昌子が応募を勧めたらしいが、圧倒的な存在感が評価されて、審査員全員一致で選んだとのこと。▼ホリプロでは創立40周年を記念して映画『死者の学園祭』の制作を決め、恭子ちゃんの相手役を公募していた。▼前にも書いたが、実は高校生の長男が恭子ちゃんの大ファンで、臆面もなく応募していた。▼書類選考を通過した100人には残ったのだが、先日テレビ朝日六本木センターで行われたオーディションでは、水着になっただけで、すぐ帰ってきちゃった! ▼息子にゃ存在感ないもんな。いやはや。◆(追記)その後、準グランプリに選ばれた石垣くんというのが息子の在籍したことのある中学の1年先輩だったのが分かった。世の中狭いね。早速、ホリプロと契約して、母はステージママとして張り切っているらしい。

2000/02/25 金曜日

辰ちゃん目撃以外に成果なし

昼休みを利用して、きょうから始まったシブヤ西武「インポート&デザイナーズ・ガレージセール」(B館B1F特別催事場)を覗いたが、男物はDKNYくらいで、安いものは¥18000のドレスシャツが¥3000といった具合。▼結局、気に入らず何も買わなかった。▼仕方がないのでロフト館地下1階無印良品コーナーを見ていたら、カジュアルな服装の梅宮辰夫・クラウディア夫妻が付き人を従えて通り過ぎるのを発見。▼その後、クラウディアさんは、DKNYで試着していた。▼そういえば、以前、娘のアンナも鮨屋で目撃したことがあるから一家全員を見たことになるなあ。▼羽賀は見たことないけど……。

◆参照⇒http://www.umemiya.co.jp/

2000/02/06 日曜日

21世紀ミュージック・フォーラムを聴く

サントリーホール(港区赤坂1-13-1、地下鉄「溜池山王駅」下車)で見出しの若手アーティストを集めたクラシックコンサートを聴いてきた。▼チケットが当選したのだ。▼19時開演、21時30分終演。国際芸術連盟主催。▼親父Kは、コンサバティブだから、どうも20世紀の「気分」に頼った「分裂症ぎみ」の現代音楽は退屈だ。小説でも19世紀までの教養小説は読んでも、ジョイスやプルーストになると分からないのと同じ。▼眠気と戦うのに忙しく、バリトン白岩貢氏のシューマン歌曲独唱が始まって、やっと目がさえてきた。▼この現在、青森山田高校教諭という白岩氏は声量もたっぷりで素晴らしい。樋口真千子・田中尚美ピアノデュオによるホルスト「惑星」も耳になじんだ曲だから安心して聴けた。▼それにしても、午後8時半も過ぎると、もぞもぞし出して、帰りの時間を気にする人が出てくるのはいやだ。交通の便がなくなり、帰宅が遅くなるのがいやなのだろうが…。▼これがいやなので、親父Kは都心暮らしを選択しているのだ。

◆参照⇒http://www.tokyo-cci.or.jp/member/jila/

2000/02/06 日曜日

明治座2月公演「妻たちの鹿鳴館」を観劇

午前11時開演、午後3時10分終演の昼の部で見た。“鹿鳴館”といっても、原作は三島由紀夫じゃなくて山田風太郎「エドの舞踏会」。▼主な配役は、伊藤博文妻・梅子(若尾文子)、博文(愛川欽也)、井上馨妻・武子(淡島千景)、馨(小島秀哉)、森常子(有礼妻=坂口良子)、山本権兵衛(松村雄基)、山県友子(有朋妻=上村香子)。▼若尾さんは、とても御歳ウン十歳とは思えない気品ある美貌。黒のベルベットのローブデコルテ姿にはうっとり。しかも、どこか水商売上がりの雰囲気も漂わす。啖呵を切ったときも声音・姿良し。▼黒川紀章さんが惚れるわけでござんすョ。▼こういう役どころを演じられるのは初代水谷八重子亡き後、彼女しかいないのではあるまいか。▼松竹新喜劇で鍛えぬかれた小島の声はよく通る。愛川は、しゃべると「にゃんこ先生」を思い出すのが難点だが……。

◆参照⇒http://www.meijiza.co.jp/index2.html

2000/02/05 土曜日

●(番外)21世紀のムービースター誕生か?!

帰宅したら高校生の長男がニタニタ、ニタニタご満悦だ。▼1月6日の項で触れたとおり、ホリプロでは、創立40周年記念映画『死者の学園祭』制作に当たり深田恭子の相手役を募集していたが、「ヒヒヒ…、書類審査通過しちゃったんだよ」という。▼きのうは、いつも寝坊のくせに早起きし、「なんで通知が来ないんだ。おかしいからホリプロに電話しろ」なんて母親に毒づいて、王女メディアのように悲嘆にくれていたのが嘘のようだ。▼通過したといっても、これから予選会1次・2次、そして本選と続く。日時・場所は秘密だが、会場は幸い歩いて行ける場所だった。▼交通費は自己負担だから、東京に住んでいて良かった、良かった。まったく、あのバカに保護者として同意書を書かされたのをいま思い出しても腹が立つぜ。▼近所迷惑も顧みず、いま息子は歌唱練習をしている……。

2000/02/03 木曜日

さらに赤坂・豊川稲荷「芸能人お練り行列」を見物

午後2時過ぎ、豊川稲荷(港区元赤坂1-4-7)の節分会を見物にちょいと立ち寄った(そんなに仕事をさぼれないよ)。▼芸能人が国道246沿いの塀の裏に並んで、男性は裃姿、女性は和服で裏門から出発、正門をくぐって本殿へと練り歩く。▼有名人をこんなに間近に見られるとは、こりゃすごい!▼順不同に名前を列挙すると、林家こぶ平、沢田亜矢子、みのもんた、五大路子、笠井信輔、芦野宏、荒勢、結城貢、坊屋三郎、長門勇、内海桂子、はかま満緒、勝呂誉、毒蝮三太夫、吉村明宏、清水圭、丹波義隆、久里千春、川野太郎、山田玲奈ら。▼おばさまたちは、みのや毒蝮に会えて大満足。毒蝮なんか、参詣客に「ごくろうさん!」なんて声をかけて、いじる、いじる。▼親父Kも大満足じゃ。

◆参照⇒http://www.246.ne.jp/~ziggy/

2000/02/03 木曜日

芝・増上寺 節分豆まきへ

正午から増上寺(港区芝公園4-7-35)で行われた節分豆まきを覗いた。▼行事は、僧侶・裃姿の年男らの「お練り行列」、祝い餅をまく「餅つき奉納」、3回に分けて芸能人・年男らがビニールパックの福豆=60粒弱入り=をまく「豆まき」、3人の鬼が登場し寺付属の明徳幼稚園児が豆をぶつける狂言「鬼問答」で、12:55ころ大〆終了。▼本堂前特設舞台へ現れた親父Kが知っている有名人を紹介すると、お懐かしや、二葉あき子、並木路子、玉川スミ、松島トモ子、中島ゆたか、そしてヨネスケ、川野太郎、山野愛子ジェーン。▼福豆にはテレビなど景品がもらえる当たり札が入っていることもあり、まかれるたびに人波が右へ左へ動いて、親父Kのヘアスタイルはボサボサ、靴はほこりまみれに。眼鏡が吹っ飛んだ人もいる。キャッチしようとしても、なかなか取れない。▼いやはや、ご年配の人たちはお元気だ。

◆参照⇒http://www.mcgroup.or.jp/user/kenken/zojouji.htm

2000/01/17 月曜日

帝劇で「細雪(ささめゆき)」を観劇

16日午後5時から皇居前・帝劇(地下鉄「日比谷駅」「有楽町駅」下車)で、見出しのお芝居を見ました(谷崎潤一郎原作、菊田一夫脚本、水谷幹夫演出)。▼1月興行は、もっともらしい劇評は見巧者にお任せして、「正月らしい気分を味わう」という楽しみがある。▼佐久間良子、古手川祐子、沢口靖子、純名里沙がそれぞれ長女鶴子、次女幸子、三女雪子、四女妙子の四姉妹を演じる。▼この面々が8時15分の終演まで、5〜8回くらい華やかな和服を着替えて順繰り舞台に登場。純名はドレス姿も。▼どうです正月らしいでしょ! 東宝女優の顔見世興行と理解すればいいわけだ。▼妻は、古手川が内股歩きをする割には、股間が開き過ぎていて、どうも和服姿がしっくりしないと言う(私とは視点が違うなあ)。▼沢口は、「うん〜」というせりふのあいづちを抑揚をたがえて巧みに演じ分け、おっとりと育った旧家のお嬢さんの雰囲気を見事に出していた。▼ところで、驚いたことに職場の人と指定席が隣り合わせになった。広い東京でこんな奇遇もあるのである。

2000/01/10 月曜日

花組芝居「泉鏡花の天守物語」を見たよ!

チケット(S指定席4800円)が当選して、9日はシアターアプル(歌舞伎町・新宿コマ劇場地下)で13時開演の見出しのお芝居を見た。▼配役は、加納幸和(富姫)、桂憲一(図書之助)など。▼舞台上には、工事現場の足場が組まれ、姫路城天守をイメージしている。そこへ女の童2人が「♪いきはよいよい、かえりはこわい〜」との曲に合わせて、斬新にアレンジされた和服姿で歌い踊ってスタート。▼途中、アドリブの掛け合いだろうか、加納は、「きのうは特別なお客様として有馬稲子さまがお見えになって…」「最近は芸能人のお友達もふえて…(加納は、NHKの朝の連続テレビ小説に出演)」と笑わせる。▼歴史を踏まえている点では「ジーザスクライスト・スーパースター」のようなというか、斬新な舞台だった。▼そのむかし、柴田恭平が出演した東京キッドブラザースの「冬のシンガポール」(78年)を見に行ったのを思い出した。▼若い人のエネルギッシュな舞台はいい。

◆参照HP⇒http://www.hanagumi.ne.jp

2000/01/06 木曜日

●(番外)21世紀のムービースター募集

恥をさらそう。▼高校生の長男が「写真を撮ってくれ」という。「なんでだ?」と聞くと、オーディションに応募するのに必要だとのこと。▼いまホリプロでは創立40周年を記念して深田恭子主演の映画『死者の学園祭』の制作を進めており、恭子ちゃんの相手役を募集している。それに応募したいのだそうだ。▼息子はホリプロのホームページを眺めながら、「まいったなあ、21世紀のムービースターか!(含み笑い)」とご満悦。
――私のように思慮分別ある親でも子育てには失敗するのです。

◆参照HP⇒http://www.horipro.co.jp/news/

2000/01/05 水曜日

松たかこは紅白で歌詞を間違えても演技は一流だ

親父Kの好物のひとつは、観劇。▼正月休みは、松たかこ主演の「天涯の花」(宮尾登美子原作)をテレビで見る幸運に恵まれた(2日NHK総合、後4:00)。昨年1月の新橋演舞場公演の録画。▼いつもの3階席と違って、TVは松が涙をこぼすのも見えるのがありがたい。▼あらすじをおさらいすると、養護施設育ちの平珠子(松たかこ)は中学卒業後、徳島・剣山の神社の宮司・白塚(江原真二郎)の養女となる。成人を向かえるころ、夏山で遭難したカメラマン久能(内野聖陽)を助け、恋に落ちる。しかし男には妻(戸川京子)がいて…というもの。▼親父Kは泣きました。養父思いの清らかな少女が男と恋に落ちるや、駆け落ちを企てる、その転換を巧みに演じる松の演技の確かさ。▼何か決定打となる演目を得たら、松は大女優への道を歩むことでしょう。▼都内A公園近くの松たかこ(松本幸四郎)のご自宅をそっとのぞきにいきたくなりました(ストーカーか)。

1999/12/26 日曜日

菅原謙次さん、やすらかに

わたくしも見に行った新橋演舞場の11月新派公演に出演されていたのに、24日朝に逝去されていたとは……。▼新派の舞台を風格高く演じていらしたのに、ひとの命のはかなさを感じます。新派から次代を継ぐ俳優が育つのが、菅原さんへの一番の追悼でしょう。▼ご住所をみると、ご近所さんだったんだなあ。

1999/12/25 土曜日

東京労音主催コンサート無料鑑賞

25日は、午後3時から2時間弱、五反田、ゆうぽうと(簡易保険ホール)で行われた「A SALUTE TO グレン・ミラー Directed by ビル・ポーター&オーケストラ」 を鑑賞。▼朝日夕刊マリオン欄掲載のプレゼント情報で当たったのだ(6000円)。▼いまよみがえるグレンミラーサウンドとの惹句で、ムーンライト・セレナーデ、イン・ザ・ムード、真珠の首飾り、ほかが演奏された。▼指揮者を含めた楽団員は14人。それに女性歌手が1人。スウィングジャズの世界だから、主要メンバーは白髪か、禿頭。平均年齢はいったいいくつだろうか。▼観客の方も、かって社交ダンスやジャズに熱中した、進駐軍占領下に青春を過ごした方が多いとお見受けした。この世代が歌舞伎座、コマ劇場にも行くのである。▼日本は和洋折衷の不思議な国だなあ。

1999/12/25 土曜日

1999競馬ライブ「競馬を笑え」無料で大笑い

24日イブの晩は、朝日新聞の招待券プレゼントに当選し(1500円)、水道橋、カンダパンセホールで、午後7時から行われた標記のコントを見に行った。主催はJRA(日本競馬会)。▼出演は、コント集団ザ・ニュースペーパー、競馬評論家・阿部幸太郎、司会は、元騎手を父に持つタレント・領家華子。▼わたくし一度も馬券を買ったことがないが、辛口の政治コントで知られるニューズペーパーが面白おかしく競馬場の雰囲気や熱中する人々をしゃれのめす。▼キムタク出演のJRAのCMをもじって、「♪まぐれだって総理大臣(Sorry)、自自公明もどかしい」と笑わす。▼会場へはもちろん自転車で。夕食は水道橋の「餃子の王将」で。▼1000円以上食べたので、マグカップ&ソーサーをプレゼントされた。▼またパン屋の「サンエトワール」「サンロイヤル」の各店が6時以降の売れ残りの調理パンが半額だったので買い込んで会場に乗り込んだ。

1999/12/23 木曜日

藤山直美「花あかり」観劇

今日は、新橋演舞場「花あかり」夜の部観劇へ。▼宗旨に反して3等席A3000円を定価で見た。ただし劇場まで自転車で行くのが親父Kたるゆえん。ほんの30分の行程だ。▼行く途中で、大和田獏を目撃。テレビ朝日の昼ワイド司会を済ませた帰りらしい。▼6人のホームレスも目撃。最近は女性もよく見かける。▼幕間で食べる弁当は、松坂屋地下食品売り場で調達。あいにく半額弁当はなく、鮮魚売り場の「うなぎ弁当」100円引き580円で妥協。(演舞場さん持込みご免なさい)。▼午後4時30分から8時30分まで途中、30分、20分間の休憩をはさみながら、藤山直美、藤間紫、星由里子、美木良介、小野寺昭、ベンガルらがたっぷり笑わせ、泣かしてくれた。▼なお杉浦直樹が劇を見に来ていたのを発見。▼閉演後、楽屋口前でたむろしていたら美木さんが出てきて、ファンに囲まれた。気軽にサインに応じている。▼その後、長江健次も現れた。▼愚妻は大満足。


[PR]DoCoMopKI:^畚盆愾悦